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『シャッター アイランド』 記憶の迷宮捜査の果て※ネタバレ

シャッター・アイランド (レオナルド・ディカプリオ 主演) [DVD]シャッター・アイランド (レオナルド・ディカプリオ 主演) [DVD]
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不明

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監督:
マーティン・スコセッシ
出演:
レオナルド・ディカプリオ 、 マーク・ラファロ 、 ベン・キングズレー 、 ミシェル・ウィリアムズ 、 マックス・フォン・シドー 、 エミリー・モーティマー 他

2009年 アメリカ  PG-12

<ストーリー>
1954年、連邦保安官テディは相棒チャックと共に孤島の精神病院へ。任務は失踪した患者の捜索だがテディには別の目的もあった。やがて彼は病院内で“何か”が行なわれているという疑惑を抱く。

シャッター アイランド@ぴあ映画生活より

鑑賞日:2010/4/27





※以下ネタばれです。結末に触れていますので未見の方はご注意下さい。


“謎解き物”と言う大々的なプロモーションと、映画冒頭の説明により、いかにも緻密に作り上げられた謎を説き明かす映画の様な印象を植え付けられたがこれは謎解き映画ではありません。


まさか上述のプロモーションの意図は本作のメインテーマと言える“思い込み”をさせる為?
…なのかどうかは分かりませんが、本作はあれこれ考えず主人公ティディと一体になった方が入り込めますし、分かりやすい。


犯罪を犯した精神病患者を収容する孤島シャッターアイランドで一人の患者が失踪する。
保安官である主人公ティディは捜査の為相棒チャックと共にシャッターアイランドに足を踏み入れる。

ティディの目的は捜査とは別に、この島にいれであろう昔妻を殺した犯人を捜し出す事だった。


ティディ達が島へ上陸した時の庭にいる人々の反応、ティディがチャックに言う台詞等伏線が冒頭から複数用意されている。

何かが起こりそうな薄暗い空とおどろおどろした音楽が効果的に使われていて、不安感と恐怖心を煽る。
次第に悪天候になっていく様はまるでティディの精神状態を投影している様にも思える。



彼が追う“真相”は精神病院が舞台と言うこともあり、想像できてしまったが、あれだけ「この謎が解けるか!?」と煽っていたのでそんな訳無いだろうと思っていたのですが…



その通り(笑)



しかし予想通りのオチでも付加価値がかなります。

注意書きした通りネタバレしますがティディがみる夢が現実で、現実が夢(妄想)であるのですが、この撮り方が秀逸。


彼が見る夢は鮮やかでとても美しいのですが、残酷です。
夢に伏線がかなりあるので最初にティディが67番目では?と気づきました。

火事で亡くなったはずの奥さんが何故か腹から血を流していたり、
子供を殺害し運んだとされているのはレイチェルなはずなのに、夢でティディは「面倒な事になる」と子供達を運んで行く…

またこれ程残酷な事をしているのに映像は凄く美しく、まるで残酷なお伽話の様。
キューブリックの『シャイニング』に真っ白な壁で作られた部屋一面に真っ赤な血がまるで生き物の様に流れ込むシーンがあったと思いますが、あれに似て残酷だけれども魅かれる演出は見事。

この美しさが真実が明かされた時のティディの計り知れない絶望と困苦をより浮き彫りに、そして観る者に対して衝撃を与えている(例え彼が患者だと言う事が分かっても)と思いました。


ラスト、最終判断の為に正常に戻ったか否かを確認する為にチャックとなっと話し掛けるドクター。

見た目は正常であったがまだ“ティディ”としてドクターに返答した為、彼はロボトミィ相当と判断されてしまう。


しかし、その直後「モンスターのまま生きるのと、善人で死ぬのはどちらが良いのかな」と呟き、手術を受ける為に去って行く。


その言葉にドクターはっとし「ティディ」と彼の名を呼ぶが振り向かない。

彼はティディではないから。


正常に戻っているから(と私は解釈しましたが、皆さん如何でしょうか?)。


この台詞とラストシーンは衝撃と言いますか、打ちのめされました。

真実等分からない方が幸せであり、“夢=妄想”の中に居続けた方が幸せだった。
夢から覚めた以上彼には残酷な真実を受け入れる事は苦痛であるが、また全てを忘れて英雄として記憶を都合の良いように書き換えて生きるのであれば、悔恨の念を抱き、真実のまま罪を受け入れ人間として死んだほうが良いという決断に達したレディス。

彼の心情を考えると涙が出てしまいました。


ラストはロボトミィを受けたのか、または言葉の通り自殺してしまうのかは分からないまま観客の判断に委ねる形で終わりましたが、どちらでしょう。

観終わった直後は死を選んだと思ったのですが、ロボトミィを受ける=善人としての人格が死んだという考えも有力だよなと思ったり。


記憶の迷宮に迷い込んだ男の贖罪の物語の終結としてはどちらにしても、残酷でもの悲しいラストでした。


ディカプリオ、ここ最近の彼の演技は良いですね。こういったシリアス物に今後も沢山出て欲しいです。






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テーマ : 映画レビュー
ジャンル : 映画

『ゴーストライダー』   炎を纏い、悪を葬るダークヒーロー!

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(2009/06/03)
ピーター・フォンダエヴァ・メンデス

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出演■ニコラス・ケイジ、エヴァ・メンデス、ウェス・ベントリー、サム・エリオット、ドナル・ローグ、ピーター・フォンダ

監督■マーク・スティーヴン・ジョンソン





<ストーリー>

 父・バートンと共にスタントライダーをしていたジョニー。だが、ある日、父親が癌に冒されていることを知る。ショックを受けるジョニー。そんな彼の前に悪魔メフィストが現れた。ジョニーはメフィストと契約し、自分の魂と引き換えに父親を助けるが、結局事故で死んでしまった。メフィストは癌こそ治したが、事故でバートンを殺したのだ。そしてメフィストは「お前が必要になったらまた現れる」と言い残して姿を消した…。



2007年  アメリカ


(「映画生活 Gaga」 より引用)







 『どろろ』のレビュー、実はまだ途中でして・・その代わり久しぶりに公開初日に観賞した『ゴーストライダー』を。公開初日にもかかわらず人があまり入っていなかったのが意外でした。

 


 原作は『スパイダーマン』『X-MEN』でお馴染みのマーベル・コミックスの同名コミック。アメコミの映画化は多いですが結構当たり外れが激しいような気がします。しかしアメコミ原作で本作と似たようなジャンルである『コンスタンティン』、この作品は大好きなのですよ。なので、ニコラス・ケイジ主演と言う事もあり、本作の公開を楽しみにしていました。


 オープニングの激しい音楽と共にスクリーンに展開する‘ライダーの視点’。まるでジェットコースターに乗っているかのようなきにさせるスピード感ある作りでこ、気に入りました。


 ストーリー序盤は主人公・ジョニーの過去が描かれ、ニコラス・ケイジはまだ登場せず変わりに青年ジョニーが活躍。父と共にスタントライダーをするジョニーは父の為に悪魔に魂を売り‘契約’をしてしまう。その契約とは悪魔の手先となって人間界に逃げた悪魔たちを地獄に送り返すといったもので、この契約がジョニーの運命を大きく変えることになる。


 この青年ジョニー役の俳優とニコラス・ケイジが『ディパーテッド』のマット・デイモンとその少年時代を務めた子役のように似ているのならいいのですが、似ていないんですよね。なので、その似ていなさに何だか可笑しくなってしまいましたが、この青年時代のジョニーはなかなか良い味出ていました。  



 時は流れ、一躍大スターとなったジョニー。ジョニーが挑戦するスタントは非現実的でいかにも漫画っぽいのですがスタントシーンは迫力があり、どんな危険なスタントでも必ず成功させる姿がカッコいいです。そんなジョニーのもとに再び悪魔が姿をあらわし「契約を果たせ」と告げジョニーは顔は骸骨で炎をまとったモンスターに変身させられてしまう。


 この最初の変身とヘルバイク登場シーンは「ついに来たか!」と思うほど何故か嬉しくなってしまいました。またこのシーンのニコラス・ケイジの演技が良い。またバイクが走った道には炎のラインが引かれ、周りのものは爆発炎上とどこか漫画っぽさがある炎のCGなど変身後にヘルバイクに乗って街を走る描写もカッコいい。

 

 ゴーストライダーとなった姿や動きはなんともカッコいい、これにつきます。なんでしょう・・・派手なアクションはないのですが惹かれるものがあるんです。



 しかししゴーストライダーになったジョニーにあまり悲壮感が感じられなかったのでキャラクターにあまり深さがなかったのが残念な所。というか作品自体軽い印象を受けました。本当に軽い。軽いのですがそこがまた私は良いな・・・と思ったのです。



 アクションシーンに派手さはないし、敵役であるブラックハート達の個性もあまり無く、ブラックハートの手先であるヒドゥンの能力が十分に描かれていなかったり、登場の仕方などに突っ込みたくなる部分がある。ラストバトルもやや物足りなさがあり、駆け足気味。そして作品自体も軽いのですがこの何だか‘緩い’感じが本作の魅力では?と思いました。



 所々にユーモアがあり、ニコラス・ケイジやエヴァ・メンデスのコミカルな演技(ここで映画館には笑いが・・(笑))にクスリとさせられ、主人公もヒーローなのにどこか抜けている感がある。何だか独特の雰囲気があるんですよね、この作品。そして全編CGを使うと共に漫画っぽさが随所に見られる映像など本作ツボに嵌るひとは嵌るがそうでないという人もでてくるかと思います。また音楽がカッコいいので注目を。



 本作は物足りなさを感じる部分は多いのも事実ですし、何度も言いますが全編色々な意味での‘漫画っぽさ’があります。アクションシーンも少ないので期待しているとがっかりする方もいるかと思います。この独特の雰囲気を受け入れ世界観に入り込む事が出来るか否かで評価が分かれるかと思います。
 



次回作がありそうな終わり方でしたので、続編があるならばそちらに期待します。私は結構好きですね~この作品。気軽に観るにはお勧めです。





ゴーストライダー@映画生活

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

『エラゴン  遺志を継ぐ者』    目覚めの時・・・新たなる伝説の始まり。

Christopher Paolini, Gerard Doyle
Eragon (Inheritance (Audio))

出演■エド・スペリアース、ジェレミ―・アイアンズ、シエンナ・ギロリー、ロバート・カーライル、ジョン・マルコビッチ、レイチェル・ワイズ(声) 他・・・

監督■シュテフェン・ファンマイアー





<ストーリー> 

 17歳のエラゴンは、ある日、森で不思議な光を放つ青い石を見つける。その石こそが帝国アラゲイジアの命運を握る、ドラゴンの卵だった…!卵から孵ったメスのドラゴン、サフィラを密かに育て始めたエラゴンは、自分がかつて国を守っていた誇り高き種族・ドラゴンライダーに選ばれた事を知る。暴君ガルバトリックス王に立ち向かうため、村の語り部ブロムと旅に出たエラゴンは数々の危機を乗り越え、サフィラとの絆を深めていく。 2006年 アメリカ (「映画生活 Gaga」 より引用。)




 


?12月に鑑賞したのですが書くことが出来なかったので公開終了間近になってしまいました^_^; NYタイムズのベストセラーリストに87週ランクインを果たし、人気を得た17歳のクリストファー・パオリーニが書いたファンタジー小説の映画化。  

 



本作は三部作のはじめという事で前置きといった作りになっており、主人公エラゴンがドラゴンライダーとして目覚めるまでを描いています。




 冒頭からベタな展開。こう言ってはなんですがこの手の作品では全編ありきたりだなと思ってしまいました・・・。


 まず主人公に両親がいない、謎の美女、主人公=選ばれし者、師となる伝説の男、最強最悪の敵(ボスキャラ)、人公のレベルアップ(突然魔法が使えるようになる等。)、ドラゴンやドラゴンキラー(ドラクエがすぐに浮かんでしまった(笑))といったゲームによくある武器、魔法、レジスタンス・・・等ファンタジーものにお決まりの設定が幾つも登場。一度でもロールプレイングゲームをした事があると、本作がロールプレイングゲームに思えてしまう。私はそういった印象を受けました。


 ファンタジーものというと『ロード・オブ・ザ・リング(以下「LOTR」)』、最近だと『ナルニア国物語』等が思い付くのですが、これらの作品よりも‘ファンタジーしている’作品・・・だなと思いました。言い換えると‘ファンタジーの王道を行く’作品ということになるのでしょう。



 本作は三部作のうちの一作目なので各登場人物の紹介や主人公達が暮らす世界、彼らの目的などの説明的な役割が強い為、作品にイマイチ入り込むことが出来なかったというのが正直な所。また原作未読なので分かりませんが恐らく時間が限られていることもあり端折っていたようにも思いますが・・・人物描写が浅いなと。



 こういった作品はキャラクターの魅力がかなり重要になってくる。そうなるとどのキャラクターにも容易に感情移入できるといっていいほど丁寧に描く必要があるように思います。その点『LOTR』はしっかりと人物描写がされており、かなりの数である登場人物達の名前さえ難なく覚えてしまうほどでしたが『エラゴン』の場合は展開が速いのもあり、各キャラクターがあっさりと描かれている印象を受けてしまいました。例えば突然ドラゴンライダーとなり人々を救うという使命を背負う事になるエラゴンの苦悩といった感情があまり描かれておらず、エラゴンというキャラクターに‘深さ’が足りなかったと思います。なので、本当にRPGのように思えてしまい、自分の中で盛り上がりに欠けたのが事実。




?しかしエラゴンを助ける役を演じたジェレミ―・アイアンズと人物ではないドラゴン・サフィラはとても魅力的に描かれていた。ジェレミ―・アイアンズ演扮するブロムの影ある渋さと暖かさにはとても惹かれるものがあり、存在感がありました。


 また物語のキーであるドラゴンの存在は重要で、CGが上手いだけではやはり駄目であり、話す事が出来るという設定ならば尚更ドラゴンの描写は重要になってきます。エラゴンが偶然手に入れた卵から孵ったサフィラの成長の早さには正直萎えたのですが(時間の制約上仕方がないのですがね・・。)そんなことをカバーしてしまう魅力がありました。


?ドラゴンがメスであるという設定がいきていたことが大きいかと思います。私は主人公と共に戦うドラゴンはオスのイメージが強いのでメスだと知った時は衝撃的でしたね。メスという設定なのもあり包容力ある人間味溢れるドラゴンとなっており、時に主人公エラゴンの母であり、姉であるといったシーンごとに変わった表情をいせてくれます。動きも自然で作品に溶け込んでおり、主人公に引けを取らない存在感で観客の心を掴む。・・・というよりも主人公よりも心を掴んでしまうのではないでしょうか。



 映像はというと先程述べたようにドラゴンのCGは表情豊で動きも優美。戦闘シーンはやはり『LOTR』などに比べてしまうと迫力に欠ける(というかエラゴンがクローズアップされ続けるので他のキャラクター・集団での戦闘シーンが少ない。)。しかし最初にエラゴンが魔法を放つシーンもそうですが、魔法が使用されるシーンは結構ワクワクさせてくれます。



 ドラゴンが話すといえば・・・昔ショーン・コネリーがドラゴンの声を担当していた『ドラゴンハート』という作品があったなと観賞後思い出しましたが本作のドラゴンの声がレイチェル・ワイズということで(後で知ったのですけどね^^;)、ドラゴンの声って結構有名な俳優が担当するものなのですね~ 
 
?



?本作は三部作の最初ということでしたが正直に言いますと、観賞後それほど「早く続きが見たい!」という気にはなりませんでした。しかしあまり活躍の場が無かったジョン・マルコビッチの活躍が気になるのでおそらく第二部も観るとは思います。二部ではエラゴン出生の秘密等が明かされるそうなので、そちらに期待します。





エラゴン 遺志を継ぐ者@映画生活 ?


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『ディパーテッド』  潜入―自身を‘殺し’、他を欺く孤独な戦い。

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(2009/07/08)
レオナルド・ディカプリオマット・デイモン

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出演■レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグマーティン・シーン 他・・・・

監督■マーティン・スコセッシ






<ストーリー>

 貧困と犯罪が渦巻く、ボストン南部で生まれ育った2人の男。犯罪者一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志すビリー。マフィアのボス・コステロに育てられ、忠実な“内通者”となるために警察官を目指すコリン。2人は互いの存在を知らぬまま同じ警察学校で学び、それぞれ優秀な成績で卒業。コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ。一方、ビリーに命じられたのは、マフィアへの極秘潜入捜査だった…。


2006年  アメリカ R-15



(「映画生活 Gaga」  より引用)








アンディ・ラウ、トニー・レオン共演の香港ノワール映画の傑作『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイク作品。リメイク至上最高額、ブラット・ピットがリメイク権獲得!など製作前から話題になっていましたが、リメイクと聞いたときは期待と不安がありました「これはアジアだからいいんだよね~」と話していたものです。

オリジナルが大好きな作品をリメイクされるとどうしても比べてしまうのがファンの性で、それは韓国映画『イルマーレ』のハリウッドリメイク版『THE RAKE HOUSE』はやはり比べてしまいました。頭では‘別物として観よう’と思っていてもやはり比べてしまうのですよね。なので、多くのファンをもつ作品をリメイクするという事は非常に難しく、エネルギーを要することであると思います。本作もオリジナルが大好きなので先述の不安があったのですが予告編の完成度の高さに不安より期待が上回りました。



前置きかなり長くなりましたが・・・




冒頭からハリウッドリメイクらしい雰囲気が漂い、自然と作品に入り込むことができるので、もうこの作品が‘『インファナル・アフェア』のリメイク作品である’という考えは消え、全くの別物として容易に観ることができました。

冒頭が完全にオリジナルと異なっているわけではないのですが、リメイク版のストーリー背景であるアイルランド系の置かれる立場やその時代。ジャック・ニコルソン扮するコステロという男、そして運命を変える出会い。コステロという悪の誘惑によって堕ちた少年コリン・・・・などがほんのわずかなシーンにテーマが集約されているので惹かれました。また後のマット・デイモンが扮するコリンの少年時代を演じている子役がマット・ディモンぽさがあったのも良かったですね。

?軽快な音楽にのせてビリーとコリン、そして彼らに関係する人物の運命は動き出す。犯罪者一族に生まれた自分を変えたいと警察官になったビリーに課せられた任務は無情にも‘犯罪者’になること。といってもそれは警察官としてマフィアに潜入するということですが、たとえ潜入であったとしても苦しいものがあると思います。この任務を言い渡されるシーンでのビリーの表情には上司に罵詈雑言を浴びせられてふつふつと湧き上がってきた憎しみや悔しさ、悲しみ等のいくつもの感情が絡み合った複雑な心情がうまく出ていました。レオ・・・演技に厚みが出たなと思いましたね。


 一方のコリンは野心に満ち、エリート警察官となり昇進街道まっしぐら。互いに過酷な‘任務’を課せられた二人の攻防戦、じつはこの二人の攻防戦には余り緊張感を感じませんでした(オリジナルを観ていたことが要因でしょうね・・・どうなるか知っているので(-_-;))。ニアミスするシーンはやはりこちらもドキドキしたものの、他はそれほどでも・・といった印象。


コステロ役のジャック・ニコルソンの存在が大きすぎて二人の存在がやや弱いなという印象を受けたのが先述のように感じた要因だと思います。いや~本作のジャック・ニコルソンは色々な意味で凄いです。後半のあのアドリブは凄いとしか言いようがない(笑)あれはあのシーンではいるのか・・・^_^;ネタバレになるので書きませんが是非鑑賞の際は映画館のシーンに注意してください(笑)



 作品のテーマがオリジナルでは‘無間道’つまり「無間地獄」であり、仏教的な思想が垣間見られたことに対し、『ディパーテッド』は ‘無間地獄’ではなく‘死者・故人たち’を意味するタイトルがつけられていることもあり、テーマが根本的に違うため描かれ方も違ってきます。

また『ディパーテッド』ではコリン少年が礼拝する姿が出てくるなどキリスト教(カソリック。)が背景となっていたと思います。カソリックがキーであると思い調べてみたら成る程なと思いました。カソリックの「原罪」がまさにコリンに当てはまるではないかと。詳しくは「Wikipedia 原罪 」をご覧下さい。


 タイト通り本作には『ディパーテッド』とい言葉が劇中何度か登場。潜入という任務においては他人を欺くと共に自身も欺く・・・つまり自分自身は‘死んでいる’という意味があるのかと思います。


また本作は死の描かれ方が特徴的です。劇中にコステロが「銃を向けられたときは警察もマフィアも同じだ。」というような台詞を言っていたのですが、つまりこういうことかなと・・・・‘死は平等’。
劇中の死の描かれ方は実に呆気なく人が死んでいく。この描かれ方に驚いたのですが、死は必然であるといったリアルさを出そうという意図が伺えます。カソリックの教えを知っているとこのあたり、もっと深く感じ入ることができるのかもしれませんね。



マフィアのボス・コステロとビリーの関係に重点を置いている為、コリンよりもビリーに感情移入してしまう。またコリンとコステロ、クーナンとビリーの関係の描写が弱いので山場であるシーンにイマイチ盛り上がれなかったのですが、描写が弱いことによって心の繋がりを感じたオリジナルの関係とは違い‘事務的’であるということが強く出ていたと思います。その‘事務的’さはコリンの方が強い、彼は政界進出の野心を抱くほどの者ですからコステロにただ利用されるだけでは終わらない人物。ビリーの性格と似ているが異なるという部分がこうした描かれ方によって上手く現れていたなと思いました。なので、オリジナルではラウに感情移入できても、本作のコリンには感情移入し辛いかと。



 ということで私は全く別物の作品として本作『ディパーデット』を観ることができたのです・・・・前半は。



というのも前半はところどころオリジナルと同じなのですが、殆どは完全オリジナルというテイストで描かれているのでオリジナルと比較しながら見ようなんてことは全く考えない。考える余地を与えないつくりになっているのです。


しかしですね・・・後半からオリジナルに忠実になっていく。そうなるとどうしてもオリジナルが浮かんでしまい無意識に比べてしまう自分がいたわけです。結末はオリジナルのキャラクターがいるので『インファナル・アフェア』とは異なるものの結末に向かうまでは大体が同じです。

予告編を見たときは「忠実にやるのだな」と喜んだものですが、いざ鑑賞してみると中途半端に同じよりも全く違うほうがリメイクしたことの意味や独自の良さが出たような気がします。前半のようにオリジナルにあまり忠実でいないままラストに持っていったならば例え『インファナル・アフェア』が大好きでも、よりこの作品を楽しむ事ができたのかなと思いました。



この作品の評価はオリジナルが大好きという方は低くなる傾向があると思います。まぁ仕方がないです。本作はこれはこれでいいとは思いますが鑑賞後は何か物足りなさを感じてしまいましたし、心理描写はオリジナルのほうが上手かったと私は思います。

オリジナルの心理描写は深みがあったなと。やはりああいった心理描写はアジア映画が得意とするものなのでしょうか。



しかし、オリジナルが好きでもこの作品を楽しむこともできますし好みで評価が分かれる作品ですね。まぁ一番にこの作品を楽しむ方法はオリジナルよりもこちらを先に見る!ということなのでしょう・・・。




<参考>

Wikipedia 原罪

Wikipedia カトリック教会


<関連・『インファナル・アフェア』三部作レビュー記事>

『インファナル・アフェア』 無間道、第一作・・・。闇に生きる男たちが辿る地獄への道。

『インファナル・アフェアⅡ 無間序曲』  無間道・・・運命が動き出す

インファナル・アフェアⅢ  終極無間』   悲しくも美しい終極




ディパーテッド@映画生活





『ラッキーナンバー7』   幸福も不幸も、その話しも・・・全てを疑え!

出演■ジョシュ・ハートネット、ルーシー・リュー、モーガン・フリーマン、ベン・キングズレー、ブルース・ウィリス

監督■ポール・マクギガン






<ストーリー>

 空港のロビーで、青年の前に現れた謎の車椅子の男。男は、20年前の幸運のナンバーにまつわる残酷な物語を語り始める。一方、NYのアパートではスレヴンとリンジーが偶然の出会いを果たす。不運続きのスレヴンは、友人を頼ってNYに来たのだという。ところが友人は姿を消し、スレヴンは敵対するギャング、“ボス”と“ラビ”の争いに巻き込まれる。そしてその影には、あの空港の男-凄腕の暗殺者グッドキャットがいるのだった…。



2006年 アメリカ    R-15


(「映画生活 Gaga」 より引用)







  今回はサブタイトルがいつにもまして可笑しなものになってしまいました(^^ゞというのも・・・どこまで書いていいのやらと悩む作品だったからです(因みに没ネタは『幸福は不幸の始まり、不幸は幸福の・・・・?』。劇中の台詞と絡んでいるのですがどうかな~と思い没!。でもこちらの方がいいような気も・・・^_^;)。とまぁそんな話しはどうでもいいので(笑)作品についてを・・・・





 この作品について知っていた事は出演者のみで、ストーリー等映画に関する情報は一切持たずに鑑賞しました。しかし、これが良かったのですね~。この作品を観ようと思っている方は予備知識無しでの鑑賞をお勧めします。何も知らない方がこの作品をより楽しめるかと思います。



 予備知識を持たず、そして期待もそれ程せずに観に行ったこの作品・・・・・「面白い、これは良いもの拾ったぞ!」と鑑賞中に叫びました。あ、もちろん心の中で(笑) しかも邦題が上手い。あらゆる面でよく出来た作品だったと思います。



 いわゆる‘巻き込まれがたサスペンス‘とでも言いましょうか、そういった作品なのですが、内容が内容だけにあまりストーリーに触れて語ってしまうと面白くなくなってしまうのでこの手の作品のレビューは難しい^_^;。



 オープニングからエンドロールに至るまであらゆる所に伏線を散りばめ、それを綺麗に回収してくれる。ただ伏線が多いのでそれがヒントのようになって逆にオチが読めてしまう・・・のですが、オチが読めても楽しめそんな魅力のある作品でした。この作品のオチはほとんどの人がすぐに読めてしまうと思います。まぁ・・・ありきたりと言えばありきたりな内容ですしね。


 

 しかし、冒頭から迫力ある銃撃シーンと目まぐるしい展開、渋いブルース・ウィリス・・・・かと思いきや何だか冴えないジョシュ・ハートネットの登場、突如現れたルーシー・リュー。冒頭との雰囲気の違いによって自然と入り込めた、というかこの作品のもつ独特に雰囲気がすぐに好きになりました。



 この冒頭との違いのようにこの作品はサスペンスであり、そこにユーモアを交え、プラスロマンスやドラマといったあらゆる要素が詰まっていて飽きさせません。またガンアクションが実にカッコいい。特にブルース・ウィリスの二丁拳銃姿は痺れます(笑)『16ブロック』でもカッコいいと思いましたが何故か最近のブルース・ウィリスは渋くてカッコいいですよね~。



 また台詞も洒落ていて、各登場人物のやり取りがテンポよく、そして作品の雰囲気が良く出ています。しかもその台詞にも伏線があるので注目してみてください。凝ってます。

 
 洒落ているといえば映像もそうでした。カメラの引き具合やアングルも洒落ていてスタイリッシュな作品に仕上がっています。オチが分かっていても楽しめる所以は上記にもあるのですが、各登場人物にも魅力があるからだと思います。

 

 特にジョシュ・ハートネットの飄々としたスレイブン。よく言うとアンラッキーボーイ、悪く言うと一見ヘたれキャラ(笑)。

 その独特のキャラクターを上手く演じていて嵌っていました。新たな魅力が出ていたと思います。鑑賞中、ずっと思っていたのですがどこかブラッド・ピットに似ているな・・・と思いました。雰囲気が似てるんですよ。一昔前ならばブラピがこの役をやっていたかも知れませんね。 


 ヒロインにはルーシー・リュー。私の彼女のイメージはアクション女優というものが強かったので今回のリンジー役は新鮮でした。本作のルーシー・リューは凄く可愛らしい。スレイブンの相手役は金髪美女とかではなく、東洋系のルーシー・リューであったからこそ良かったのだなと思いました。



 そして今回は悪役のモーガン・フリーマン。本作ではジョシュやルーシー、ブルース・ウィリスに食われていたような印象を受けましたがやはり存在感はありましたね。しかし存在感だち同じく悪役のベン・キングズレーの方が怪しげなオーラが出ていたのでやはり本作でその魅力を十分に発揮できなかったのはモーガン・フリーマンと言う事になるのでしょうか。



 ブルース・ウィリスは先程も言いましたが渋カッコいい魅力が出ています。今回は殺し屋役なのですが同じ殺し屋役をした『ジャッカル』とはまた別のキャラクターで、哀愁帯びた表情が良かったです。





 しかし、つくづく私はこの手の作品というかテーマが好きだな~と思いました(笑)

 


 とにかく・・・・二転三転するストーリー(しかし、しつこいですがオチは読めます!(笑))、カッコいいガンアクション、くすっと笑えるコミカルな演出にちょっぴり感動のスタイリッシュな作品。



 気軽に楽しめると思います・・・・がR-15なのでご注意を。





ラッキーナンバー7@映画生活

プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



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