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『悪人』  悪意に埋もれた最愛の果て

監督:李相日
原作:吉田修一
音楽:久石譲
出演:妻夫木聡、深津絵里、樹木希林、満島ひかり、柄本明、宮崎美子、松尾スズキ、余貴美子、光石研、岡田将生、塩見三省 他・・


制作年:2010年 日本

※PG-12


鑑賞日:2010年9月15日


< ストーリー >
保険外交員の女性の遺体が発見される。当初、捜査線上に浮かび上がったのは地元の大学生だったが、やがて容疑の焦点は土木作業員の清水へ。清水は警察の目を逃れ、光代という女を連れて逃避行に及ぶ。なぜ事件は起き、なぜ清水はその女と逃げるのか……。


悪人@ぴあ映画生活 より引用





芥川賞作家である吉田修一の同名小説の映画化。
監督は「フラガール」で日本アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ各賞を受賞した李監督。音楽はジブリ音楽で有名な久石譲という何とも奇跡的なタッグ。
また本作でモントリオール映画祭で深津絵里が最優秀女優賞を受賞するという快挙を成しえた。


これだけ揃えば作品への期待は強まり、鑑賞前からハードルが上がってしまうわけですが、そんなことは問題ない。

本作は心が揺さぶられるというか抉り、そして沈めさせられる。
映像描写、心理描写共にとにかく“生々しい”作品
人間というモノを丸裸にして見せ付けられたかの様な衝撃に暫く上映終了後も席を立つことが出来ませんでした。




真っ暗な道路がひたすら映し出される冒頭。
祐一郎の住む土地が田舎であるという事の現れであると共に、これからの彼の未来を暗示させる陰鬱な映像。
このシーンどこかで・・・と思って思い浮かべたのが『ゆれる』。

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オダギリジョー香川照之

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本作と『ゆれる』は作風といい、シーンといい共通点が多々あります。
本作を気に入った方は『ゆれる』の鑑賞をお勧め。



妻夫木聡さん扮する祐一郎は出会い系サイトで知り合った女性・佳乃を撮影した動画をじっと見つめる。その時彼は何を思いその動画を見たのだろうか。
閉塞感に息がつまりそうな今の自分の人生から抜け出し、
自身を変える「誰か」に会いたいという気持ちが根底にあると共に、何も無い退屈な毎日に溜まりに溜まった感情、欲望を満たすため佳乃に会いに行く。


一方、佳乃は両親に可愛がられて育ち、真面目に社会人として自立をしている女性。
・・・と思いきや、実はそうではない。
両親が知らない彼女のもう一つの顔がある。
友人と彼女の会話もそうだが、その後のシーンでも観ていてこの子とは友達にはなりたくないな・・・と思わせるような女性なのである。

そう思わせる演技を自然にする満島ひかりも凄いと思う。
満島ひかりさんの演技をちゃんと観たのは『クヒオ大佐』ですが、彼女の演技はインパクトが強い。今後目が離せない女優です。
そんな自然な演技のお陰か被害者であるのに何故か佳乃に感情移入も同情も出来なかった。


佳乃が好意を持ち、そして事件のカギとなる大学生・増尾。
彼は恵まれた生活をし、周りからもチヤホヤともてはやされている。
それが故か、歪んだ人格の持ち主であり、実に幼い言動と行動を取る。その行い全てにどこか悪意が満ちているから不愉快な気持ちにさせられる。

こんな人間が居てもいいのか。
佳乃の父が彼に怒りをぶつけるシーンに異常に感情移入してしまったのだが、その所以は増尾だ。

社会に溢れる悪意の具現化のような増尾を岡田将生君が熱演。
こんな演技も出来るなんてと驚いてしまいました。もう単なるイケメン若手俳優なんて括りで彼を扱ってはいけませんね。本当に素晴らしい演技で、恐怖と憎悪を持ってしまいました。


殺人を起こし、不安と恐怖で押しつぶされそうになっている祐一郎は光代と出会う。
事件の発端となった出会い系サイトでの出会いというのがまた皮肉であるが、
そういったモノを使わなければ出会えなかったという事に二人の今までの人生が集約されていると思った。

祐一郎と同様に、何も無い田舎町で毎日毎日同じことを繰り返し、生まれた土地から一歩も出ること無くこのまま自分の人生が終わってしまうのではないか。

閉塞感と空虚感に満ちた日々からの脱却のきっかけとして、光代は「誰かに本気で出会いたかった」のだろう。

確かに祐一郎と出会う事で彼女の人生は大きく変わった。
殺人者である祐一郎との逃亡生活という普通ではない新たな人生を彼女は得た。

それが例え地獄へ続く道であっても彼女にとってはこの上ない幸せな時であったし、一番輝いた時でもあった。

またこの異常な生活が更に祐一郎との愛を深めることとなったのではないだろうか。

光に照らされることのない二人は逃亡によって照らし出され、それが生きていることへの実感に繋がっていたようにも思える。

灯台でのシーンは二人だけの世界であり、祐一郎がやっと“照らし”見つけ出したもっとも欲しかったもの=光代という印象を強く受けた。


しかし二人の行いによって悲劇と憎悪はさらに広まっていく。
被害者の佳乃とその家族。そして祐一郎の家族、光代の家族・・・

人の幸せを、人生を奪った人間が幸せになることは出来ないし、一人の人間ではなく多くの人間の幸せと人生を祐一郎は奪ったという避けることはできない現実。


しかしでは「悪人」は祐一郎なのか?と簡単に言う事が出来ないのが本作。

誰が悪人で誰が善人なのかは明確には描かれていない。
それは、人は誰しも善と悪を内に秘めた存在であり、
善と悪の境界線は曖昧であるという証である。
また誰が悪人かは主観によって分かれるものであると思う。



本作は多くは語らない。
寧ろセリフも音楽もない居心地悪い雰囲気に包まれた無音のシーンも登場する。
本で言う行間と言いますか、その無音の中に多くのセリフが詰め込まれ、観客はそれを読み取るという演出が何とも上手い。
現実をその度に突きつけられ、観客は考える訳です。


ずっと暗い画面がラストカットで明るくなるという演出も効果的でしたし、音楽もまた各者の揺れる心理を上手く表現していました。

何より各役者の演技は本当に素晴らしい。
モントリオールで受賞した深津絵里さんは勿論素晴らしいのですが、特に私は妻夫木さんの演技が見事だったと思いました。
最初の車中での表情が一変するシーンは祐一郎の秘めたる狂気を感じましたし、光代と居る時の子供の様な表情であったり、細かい表情の演技がもはや台詞となっていました。





彼らの逃亡の先には何があり、何が残るのか。


エンドロールの歌を聞きながら涙を拭かず、しばし自分なりの結論を導き出そうと考えさせられる作品です。



※追記はネタばれです。作品の結末に触れておりますのでご注意ください。


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テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

『ジョーカー 許されざる捜査官』 第十話

出演:堺雅人(伊達一義)、杏 (宮城あすか)、錦戸亮 (久遠健志)、りょう (片桐冴子)、大杉漣 (三上国治)、鹿賀丈史 (井筒将明) 他

※()内は役名


放送日:2010年9月14日(火)21:00~ 「“神隠し”…解き明かされる謎 黒幕は?衝撃の結末」


< 第十話 あらすじ >
宮城から久遠が何者かに刺されたと聞いた伊達は久遠が搬送された病院に駆けつけ、宮城から久遠が犯人に繋がる手掛かりを掴んでいたことを知る。
鑑識課倉庫に戻り、久遠が掴んだ手掛かりを探す伊達は科学捜査研究所から届いた一通の封筒を見つける。中身が空であったため、久遠が依頼していたというDNA鑑定書を取り寄せる。鑑定書に書かれていた真実を知り伊達は衝撃を受ける・・・
一方CD-Rの解読を試みるが何も分からず焦りが募る宮城。そこに井筒が現れCD-Rに羅列されていた数字に注目をする・・・







拍手を幾つか頂いたようで、有難うございます(^^)
色々感想書くものがありますが、先ずはジョーカー。



ついに最終回を迎えたJOKER。
今までの回で一番良い出来だったんじゃないかと。
それはベテランの大杉漣さんと鹿賀丈史さんの演技が素晴らしかったからだと思います。


・・・とネタばれになりそうなので




※以下ネタばれです!




今回は最終回ということもあり、見どころ満載。



久遠が刺されたと連絡を受けた伊達は搬送先の病院で久遠を心配そうに見守る宮城あすかから事件時の様子を聞く。あすかはジョーカーを名乗る何者かに冴子が刺された倉庫へ呼び出され、そして久遠は犯人に繋がる何かを掴んでいたらしいという。


急いで久遠が普段から使用している鑑識倉庫へ。そこで科捜研からの秋封筒を発見。久遠が取り寄せたという資料の再送を婦警に依頼、後日再送された資料を見て愕然とする。


・・・やはり・・・こちらも愕然。


バーを訪れた伊達は三上に犯人が分かったと告げ、久遠が取り寄せた鑑定書を突き付ける。
そこには三上の名が書かれていた…


やはりそうかとは思いましたが、伊達さんや久遠と同様に信じたくなかったですね。


JOKERとは警察の裏組織であり、裏金で作ったと思われる私設刑務所へ罪を逃れた犯罪者を“神隠し”として制裁を与えていた。
このJOKERで制裁者となる最適な人材として白羽の矢がたったのが家族を失った三上。
被害者遺族の無念を晴らすこの神隠し、JOKERの存在を守ろうという想いから、組織の存在、神隠しの真実を暴こうとする夏樹と冴子を殺害したのだった。


あすかのCD-Rを奪う為、伊達刑事に麻酔銃を放ちバーを去る三上。


どんな気持ちで伊達さんを撃ち、どんな気持ちで伊達さんは撃たれたのかと考えると苦しいですね。この辛さは再びこの構図と真逆な形としてラストに出てきます。


本格的に三上を追う事になった捜査一課。そこへCD-Rを持つあすかの身を守る為に青葉東署へあすかを移送するよう刑事部長から電話が入る。

この刑事部長、小木茂光さんだったので、思わず一倉さんだ!と思ってしまいました(笑)踊る大捜査線に続いての警察官役。小木さんは警察官役多い気が。



刑事部長、実は裏で三上と繋がっており、あすかは三上に連れ去られてしまう。



連れ去られたあすかは三上の家で意識を取り戻し、兄を殺した三上に憎しみと怒りの感情をぶつける。
あすかの気持ちも三上の気持ちもわかるし、両方正論でもある。
しかし人の命を奪ってしまった三上はやはり正義ではないがJOKERを必要悪とする三上の発言は同意せざるを得ない。


正義と悪の境界線などはこの世に存在せず、正義とは人の倫理観に大きく影響されるもの。夫々の正義の名の下に想いを行動に移す三上や伊達、久遠、そしてあすか。



お前のやっていることは正義か?と問われ「それでも俺はお前を裁く」という伊達刑事は制裁を与える瞬間は自身は正義であるが、その後は己を裁いているとも思う。

人の明日を奪うという事は久遠も言っていたが、自身の大切なものを失うことにもなる。
それを一番分かっていたのは三上であり、彼から制裁者という仕事だけではなく、意志を引き継いだ伊達刑事だろう。




このドラマのテーマは正義と悪、人が人を裁くという事の意味とともに、“贖罪”の物語なのではないかと思った。



三上は逃げようとはせず、伊達に自身を裁かせた。
その願いを叶えるかのように二人が出会った倉庫で、伊達が別の人生を歩み始めた地で二人は対峙する。


インファナルアフェアのワンシーンを彷彿させる青みがかったあの対峙シーンは二人の気持ちが交錯していて台詞が無くても会話をしているようだった。

そして何よりスローモーションなのが良い。
あのスローモーションのお陰で自分が伊達刑事になったかの様に今までの出来事を思い出させ、「何故貴方が?」と伊達刑事の感情に同調させられます。
また堺さんと漣さんの表情の演技が素晴らしく、二人の気持ちを考えると辛くて泣けてきます。

悲しいシーンですが、まるで儀式の様なのですよね。
それこそ神に懺悔をするかの様な、そんな雰囲気が静寂に包まれたこのシーンにはありました。


神隠しではなく、法の裁きを受けることになった三上。


伊達の正体を知った井筒とあすか。


三上の意思を継いだ伊達、そして久遠。


この5人の物語はどうやらここで終らなそうだ。


伊達刑事は逮捕されず今まで通りだし、井筒課長はどうやらJOKERを探るべく潜入。あすかは警視庁へ戻ったということは・・・・これは続編あり??


作る気満々な気がするのですが(笑)


今度放送される特別編では伊達刑事が初めて一人で行った制裁の話と、三上逮捕後の話が観られるようです。


三上と伊達さんのコンビが好きだったので、もう見られないんじゃないかと残念に思っていましたが、特別編では二人でラーメンを食べる姿が観られるようで楽しみです。


<おまけ:第十話の伊達さん>
マスターこと三上に簡単に手錠をはめられてしまう伊達さんが何だか良かったのは私だけでしょうか(笑)
油断しすぎです伊達さん!相手は元刑事です。
結構簡単に課長に正体バラしたのも仕方がないとは言えちょっとビックリでした。


あと、伊達さんではなく今回はあすかちゃんの可愛さが際立っていたと思います。
(本来伊達さんより普通あすかちゃんが可愛いとなるのですが・・笑)


「チューしたら目覚ましてくれますか?」が凄くかわいかった・・・
久遠に聞かれてたら危なかったですね(笑)

テーマ : JOKER ~ジョーカ-
ジャンル : テレビ・ラジオ

『ジョーカー 許されざる捜査官』 第九話

出演:堺雅人(伊達一義)、杏 (宮城あすか)、錦戸亮 (久遠健志)、りょう (片桐冴子)、大杉漣 (三上国治)、鹿賀丈史 (井筒将明) 他

※()内は役名


放送日:2010年9月7日(火)21:00~ 「時効…真実に怒りの裁き」


< 第九話 あらすじ >
冴子が5年前に刺殺された夏樹と同様の手口で殺害されていることに気付く伊達。
鑑識の結果、夏樹刺殺に使われたナイフと同じものであることも判明。
しかし一向に犯人の情報は何も出てこなかった。
息詰まる捜査員達、そこへ一人の女性が入ってくる。
彼女は5年前に時効が成立した事件の遺族であり、新たな手掛かりを発見したので調べてほしいと訴える。この事件を追っていたのは冴子であると知った伊達は、時効成立をしたこの事件の捜査に乗り出す。
一方あすかは冴子から受け取ったCD-Rの解読を試みるが・・・



いよいよ最終回を向かえるJOKER。
真実に近づくにつれ、危険が忍びよるこの第九話は急展開の連続で、あっという間の一時間でした。

今回も制裁を受ける事件はメインではないという印象を受けましたが、今回の犯人役は佐野史郎さん。まさかこの方がゲストとは!


※以下ネタばれです。



冴子の刺し傷を見て夏樹と同じ犯行手口だと気付く伊達刑事。
同じ手口で来るなんて恐らくわざとでしょうね。同じにすることで、伊達さん達に対する何者かの脅迫とも取れる。

それ程の真実が待っているのか。
何を冴子は知ってしまったのか。
最後は伊達さんの身に危険が及ぶ事がないよう犯人の名前を挙げなかった冴子は未だ伊達さんを愛していたんでしょうね。
前回のラストで名前を呼ばれた時の表情といい切ない。


冴子を殺害した犯人の情報が全く出ないばかりか、当の伊達刑事の態度に怒りを覚えるあすかであったが、バーで三上から冴子を失った後の伊達刑事の様子を聞かされて思い改める。


苦手なウイスキーを飲み、酔いに見せかけ洗面所で涙を浮かべ、怒りと悲しみに満ちた表情はどこか何か決意したかの様にも見えました。
そしてこの表情が凄く胸に迫ります。


冴子が最後に担当していたという時効成立をした事件を再捜査し始める伊達刑事は、
真犯人を被害者が未来の自分に宛てた手紙に書かれた「S先生」を手掛かりに辿りつく。

折角佐野史郎さんが犯人なのに何だか勿体ない扱いでちょっと残念。
私的に今までで一番印象が薄い犯人に・・。
制裁シーンも伊達さんの迷いをもう少し見せてくれたらより良かったのになぁとも思いました。
今回は前回同様5年前の真相がメインとなっているので仕方がないのかもしれませんが・・。


あすかは冴子が命がけで追った真実を知るために、伊達刑事のヒントを頼りに兄・夏樹の携帯からCD-Rのパスワードを見つける。

パスワードは「JOKER」


・・・そう来たか。JOKERの別の意味はこれでしたか。


そしてCD-Rの中身は警察の裏金作りと謎の「UNDER GROUND V」。
この展開、何だかどこかでと思って見ていましたが、『アンフェア』か。
警察の裏金作りと言えば佐々木譲先生の道警シリーズも浮かんだり。


あすかは警視庁に地下五階があり、そこに何かあると考えていましたが、
実際は地下五階はありませんでした。
「UNDER GROUND V」って警察OBと上層部の何名かで作り上げた秘密組織(というか倶楽部?)


その様な組織があるとして、裏金で何をしようとしているのかと考えた場合、パスワードがJOKERであることから神隠しに関係しているとも考えられるし、あるいは全く異なる目的があるのかもしれない。



そこは今夜放送のJOKER 第十話で明かされる・・・はず。



このまま明かされずSEASON 2へ!なんて展開にもなりそうな気がしないでもないけれど。



そしてラストでまた衝撃の展開。
久遠がJOKERを名乗る何者かに刺されてしまいました。
そして久遠の気になるセリフ。

犯人は久遠が知り、そして信頼を寄せていた人間と言う事になるのかと思いますが、そうなると誰なのか?

課長が怪しいと思っていましたが、今回で課長は白と判明。
そうなると三上かと思ったのですが、そうなると今までの行動とセリフに矛盾が生じるので確率は低そう。

となると一体誰・・・???


真実はもうすぐ明かされますね。
伊達さんはどうなってしまうのか?




<おまけ:第九話の伊達さん>今回は昼よりも夜の伊達さんが多かったですね。
冴子を思って慣れないお酒を飲み、吐く姿にときめいてしまった(笑)愛されてたんですね~冴子さん!


テーマ : JOKER ~ジョーカ-
ジャンル : テレビ・ラジオ

観劇 『シダの群れ』

作:岩松了
演出:岩松了
出演:阿部サダヲ(森本)、江口洋介(タカヒロ)、小出恵介(ツヨシ)、近藤公園(佐々木)、江口のりこ(リン)、黒川芽衣(ヨーコ)、尾上寛之(藤井)、ジョンミョン(オカムラ)、伊藤蘭(真知)、風間杜夫(水野)

※()内は役名


観劇日:2010年9月11日 マチネ@Bunkamuraシアターコクーン


< あらすじ >
組長が病に伏している志波崎組。現在は組長の片腕である水野が仕切っている。
そこへ組長の愛人・真知の息子で組員から信頼を得ているタカヒロが刑期を終えて帰ってくる。
組長にはタカヒロともう一人本妻との間に息子がおり、息子のツヨシは妻のリンとの間にマサハルという息子がいるが、愛人のヨーコも子を宿していると知り、組でのヨーコの風当たりが厳しいものになる。
そんな中ツヨシの息子マサハルが敵対する組に拉致されそうになる。この危機的状況を誘発させたのはタカヒロを慕う森本であった。
マサハル拉致未遂、病に伏す組長と跡目問題が現実味を帯びてくるにつれ夫々の思いが交錯し・・・




公式サイト bunkamura 『シダの群れ』 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/10_shida/index.html
※上記公式サイトでは動画配信中。何と舞台の映像が少し観ることが出来ます。(2010年9月20日現在)





久しぶりの更新。拍手を幾つか頂いていたようで嬉しいです。有難うございます!



先に内野聖陽さんの『イリアス』を観劇したのですが、観劇ほやほや(?)の『シダの群れ』から。
『イリアス』は後日書きます。



今まで観劇した中で一番舞台から遠い席でして・・・S席一階と言えど、あれはもはや中二階席。
オペラグラスを久しぶりに使いました。この舞台はいかに役者の演技を読み取るかが鍵なので、前方の席のほうが良かったなぁと思いました。



また、冒頭からハイスピードに進むので、予め大まかなストーリーと役名を観てから行くと良いかもしれません。
何も予習せずに行ったので、最初人物関係を把握するのが大変でした。



任侠物の舞台の為、この手の作品の定番と言える権力抗争のお話。
なので激しいドンパチや犠牲者、裏切り、裏社会での絆等映画等で描かれる任侠物お決まりのモノが舞台上に展開。


そして裏社会に生きる者の悲哀と、各々の魂胆が絡まりあい衝撃のラストを向かえる。



派手な演出も無いし、説明も少ない舞台なので、役者の演技、台詞の一つ一つが重要で一時も油断ならない。
しかし緊迫感だけではなく随所に笑いを散りばめて緩急のバランスを取っていた。


また男性メインの話とも、女性メインの話とも読み取れる多面的な作りなのも面白かったです。
女性三人だけになるシーンなんてセリフは少ないながら、冷たい空気感を伊藤蘭さん、江口のりこさん、黒川芽衣さんが作りだしていてドキドキされられました。
女性視点で見るとまた違った作品に見えてくるかもしれませんね。



本作のタイトルにある「シダ」、シダ植物は種子植物ではなく、胞子によって増える植物。
植物は種子によって増えるという認識のほうが強く、胞子で増える非種子植物の事を意識する人は少ないと思います。
つまり、裏社会に生きる人々=シダ。

シダは何だか種子植物(=我々“表社会”)から疎外されたモノという様に捉える事も出来ますし、そういった植物が集まって生えている様は何だかこの志波崎組の人々の様に思えます。


裏社会に生きる彼らは心のどこかで孤独感を抱き、常に気が張っており、他人事を完全に信じるという心はもう持っていない。
そんな彼らは組に集まり疑似家族を形成している。まさにシダの群れ。

また家族の象徴として食卓がよく映画等で使われますが、この舞台での食卓シーンはやはり疑似家族の食卓シーン、居心地が良いものではなく、観ていてハラハラさせられました。
案の定衝撃的な出来事がいくつか起こります(特に阿部サダヲさんのあれは凄かった・・笑いと引きが会場を包む異様な事態に(笑))。



舞台上でも常識が通じず「え?何で?何なの?」という何だかつじつまが合わない台詞や出来事が次々に起こるのですが、常識が通用せず、非常識というか不条理が常識の様なこの世界を表すかのようでした。


各登場人物が曲者で、何を考えているのかが読めないんですよね。


そんな中で一番分かりやすかったのが阿部サダヲさん演じる森本です。
彼はこの中では常人に近い感覚の持ち主で、この世界でしか生きていけないが為に組織に役に立ちたいという“組の為”という気持ちが強い。

そのためにタカヒロへの信頼とともに組織人としての自分を考えて揺れ動く。


森本の微妙な感情の揺れを時にエキセントリックに、そして期待通りコミカルな演技で観客を惹きつけた阿部サダヲさん。
阿部さんならずしてこの舞台は完成しなかったといっても過言ではないほど本当に演技が素晴らしかった。


阿部サダヲさんは出てきただけで観客から笑いが起こるのです(笑)

動きの一つ一つが面白くて可愛いらしいのですが、我に返る瞬間や、突然狂気じみた笑い声を上げた瞬間は怖くなりましたね。
本当に上手い!舞台の阿部さんは映像作品で見るよりも魅力的でした。



風間杜夫さんは流石ベテラン、舞台に居るだけで締まりますし、迫力がありました。

江口洋介さんはスタイルが良くて本当にカッコよかった・・・人格者のタカヒロ兄さん役が嵌っていて、この人なら皆が信頼していついていくのも納得だなと思わせる静かでいて内に秘めた熱いモノが伝わってきました。

ツヨシ役の小出君はもう本当に危なっかしい若頭。
怒鳴り声が迫力がありましたし、若頭の格好が様になっていて、これまたカッコよかったです(笑)

他に黒川芽衣さんが薄幸そうだが妖しげな魅力を醸し出すヨーコ役を好演されておりました。


演技力に優れた魅力的な役者さんの競演がこの舞台最大の魅力だったなと思いました。
おかげで二時間半があっという間でした。


組織の長を失った時、危うい絆で結ばれていた者たちの、組織の均衡が崩れ始め、
疑似家族も崩壊の道を辿り始める。
しかし彼らの居場所は、存在意義を感じ取れるのはこの世界、組でしかない。
ならば何としても守らねばならない。

それが例え誰かを排除しなくてはならなかったとしても・・・・
裏社会だけではなく、集団心理を突いたこのテーマは恐ろしくも悲しい。


全ての出来事が見える訳ではないこの舞台。

人の命が失われる瞬間も唐突で呆気なく描かれる。それが余計に全ての出来事がリアルさを増し、自分もこの世界に放り込まれたかのような感覚なる不思議な作品でした。


カーテンコールで男性が「アニキ~!!」と叫んでいました。
確かに叫びたくなる気持ち、分かるかも(笑)


※【追記】にネタバレ。


参考:
Wikipedia 「シダ植物」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%80%E6%A4%8D%E7%89%A9

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テーマ : 演劇・舞台
ジャンル : アイドル・芸能

『ジョーカー 許されざる捜査官』 第八話

出演:堺雅人(伊達一義)、杏 (宮城あすか)、錦戸亮 (久遠健志)、りょう (片桐冴子)、大杉漣 (三上国治)、鹿賀丈史 (井筒将明) 他

※()内は役名


第八話放送日:2010年8月31日(火) 21:00~ 「衝撃の死・・・伊達最大の危機」


< 第八話あらすじ >
模倣犯であった日向に撃たれ、久遠も吉住によって殴打され意識を失う。
絶体絶命の事態から何とか逃れようと模索する伊達であったが、伊達が落とした銃を吉住に拾われ、麻酔銃であることが分かってしまった。
制裁を加えた人間がどこにいるか伊達から聞き出すべく、吉住は伊達を連れ去ってしまう。
意識を取り戻した久遠は伊達が自身の血で書いた「YT」という文字に気付く。





JOKERもいよいよ佳境。どうやら全10話のようですね。
10話最終回の後に特別編の放送があるようなので、ひょっとしたら続編や映画化の可能性もあり??
もし映画化となったらドラマに散見する突っ込み所を無くし、より一層ダークかつシリアスにしたら上級サスペンス映画に化けるかも?なんて勝手言ってすいません(^^ゞ


※以下ネタばれです。


模倣犯となった目的を第七話感想で書いてしまいました・・・第八話で明かしてましたね。
混同してました。
日向と吉住は異母兄弟で共に母親を父親に殺害されており、父親への復讐の為に刑事になったという何とも凄惨な過去が。しかもその父親を制裁していたのがあの三上だったとは。


伊達さんの前に三上が制裁者となり神隠しを行っていたんですね。
つまり伊達さんは三上の後継者だったわけです。

なんだか三上は伊達さんを後継者として可愛がっていたようにも思えてしまう。
しかし愛する者を失う過去を持つ似た境遇であり、幼いころから知っている事もあってか伊達さんを探す三上の動揺ぶりと必死さから、いつものマスターとは違った人間らしい一面を見た気がします。
そして三上にとって特別な存在なんでしょうね、伊達さんは。


しかし、吉住に伊達さんが暴行されているシーンは血の量といい飯田さんの演技といい惨いシーンとなりました。
堺さんは本当に血まみれが多い方だ。
『壬生義士伝』『スキヤキウエスタン ジャンゴ』『ジェネラルルージュの凱旋』・・・皆そうですよね。


飯田さんはやはりJOKERでもSPと同じような運命を辿っていて何だか皮肉です。
でも、飯田さんを観た瞬間からこうなることが予想出来ていました。
もうこうなる気がしてならなかったんですよね。
ちょっと呆気なくて残念でした・・・



兄をも手にかけ、犯人ではない無実の罪の人間を殺害し、しまいには自分のアリバイ作りに手を貸した美代子を殺害しようとした日向。


「俺こそが救世主だ!」と天を仰ぎながら言う様はまるで『デスノート』の夜神月・・・
なぜ同じようなキャラにしてしまったんでしょう。
伊達さんとの会話で浮いてしまうんですよね、あのキャラだと。
脚本がちょっと粗かったかなという印象。八話は転機となる回なだけに残念でしたね。


しかし今回重要なのは日向ではなく、冴子です。
だからデスノでもなんでも良いんです。


冴子が手に入れた夏樹の貸し金庫にあったCD-ROMは何があるのでしょう。
事件の核心に迫った冴子は万が一を考え宮城あすかに託す。

彼女の予感は当たってしまい、ラストは伊達の腕の中で息絶えてしまう。


事件の核心に迫った者の末路は大凡こうなる事が予想できるのですが、
まさかキーパーソン的役割の冴子をここで死なすとは思いませんでした。
病室での会話で出た「伊達さんは一度も名前で呼んでくれない」でこうなる予感がありましたが、ラストに漸く伊達さんが「冴子」と言った瞬間の冴子の嬉しそうな表情はとても切なかった。


冴子の突然の死に悲しみに沈む伊達の元へあすかがやってくる。

何故ここへ??


そして冴子を殺した犯人は誰?


冴子がCD-ROMを手にしたことを知っていたのは課長。
やはり課長が何かある?
しかし段々夏樹を殺したのは課長じゃない気もしてきました。
となると黒幕は誰だということになるのですが・・・意外な人物、期待しております。




<おまけ:第八話の伊達さん>
病室で半分にカットしたメロンを嬉しそうに頬張る伊達さんが可愛らしい。
そしてその後冴子に言った「元彼でしょ。」がツボでした。
あれは反則!(笑)


テーマ : JOKER ~ジョーカ-
ジャンル : テレビ・ラジオ

プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



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