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『武士の家計簿』 心に響くは算盤の音

監督:森田芳光
原作:磯田道史「武士の家計簿」
出演:堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、中村雅俊、西村雅彦、伊藤祐輝、大八木凱斗、藤井美菜、野間口徹、草笛光子 他

制作年:2010年 日本

鑑賞日:2010年12月4日@丸の内ピカデリー 初日舞台挨拶つき初回
2010年12月15日@丸の内ピカデリー 大ヒット御礼舞台挨拶


<ストーリー>
時は江戸時代。御算用者(会計処理の専門家)として、代々加賀藩の財政に携わる猪山家。八代目の直之は、天性の数学的感覚を持っていた。彼はやがて、お駒という女性と結婚し、昇進も果たす。だが身分が高くなるにつれ出費も増え、彼は倹約生活を実行することに。


武士の家計簿@ぴあ映画生活より引用








★初日舞台挨拶レポは追記に書いてあります。




歴史教養書としては異例のストセラーとなった新書を映画化。
森田監督の時代劇と言えば織田さん主演で撮った『椿三十郎』がありますが、あちらは殺陣ありの誰もがイメージするような時代劇。しかし本作は時代劇に付き物の殺陣はありません。主役は武士でも加賀藩御算用・・「そろばん侍」なのですから。

著者の磯田氏は大学のサブテキストのつもりで書いていたそうですが、それがまさかのベストセラー。しかも映画化してしまうとは。



猪山家は代々加賀藩の財政に関わってきた。主人公の直之は8代目で父・信之も御算用。
数字に関して天才的な感覚を持っていた直之は他の者からは「そろばん馬鹿」と言われる程に、毎日毎日帳尻合わせを誰よりも熱心に行っていた。


パチン、パチン。



そろばんを弾く音が心地よく聞こえればと舞台挨拶で堺さんが言っていたように、
何故だかこの音が心地よく、気持ちが透くような気がするから不思議である。
そろばんの音で始まり、そろばんで終わる作りも何だか粋。



直之のそろばんを弾く音は彼自身の性格を表しているようで規則正しく誠実な音がする。



あまりの没頭ぶりに周囲からは少し奇異の目で見られることもある直之にある日商家の母を持つお駒との縁談の話が来る。



お駒と直之の初体面のシーンは二人の純粋で真面目な性格が出ていてとても爽やかで好きなシーン。
その後のお駒が猪山家に嫁いだ日に二人が交わす会話も観ていて自然と笑顔になるような温かさがありました。



真面目で仕事熱心な性格から直之はとある事件に巻き込まれることになるのですが、
このエピソードも当時の事がよく分かると共に、直之が現代のサラリーマンに見えるのです。
武士だって組織社会に生きる公務員みたいなもの(特にこの御算用はそれが強い気がしました。)。しかし直之の信念貫く姿は現代人には失われたモノの様に思えました。




穏やかに過ごしてきた猪山家、しかし多額の借金が判明。
出世や武士の体面を保つのに当時はかなりの額を使っていたようで、それが武士は貧しいと言われる所以だったのかと納得。


家臣に払う給料等もある訳ですから確かに大変・・・
この危機を脱するためにこの日から直之指示のもと、一家は質素倹約生活へ。



体面重んじる武士にとっては“恥さらし”という事になる。
ただでさえ猪山家には剣ではなく、“武器”はそろばん・・
しかし「大切な物は体面か?」と直之はお駒に問う。本作の魅力はここにある。




猪山家の根底にある強い絆と温かい心、深い愛情。これらが根底にあるからこそ例え経済的に苦しくても決して揺らぐことはない。


貧しい生活だが知恵を振り絞り、助け合い、工夫を凝らして日々を明るく過ごす姿は「そろばん侍」としての武士道とも言える。

直之は剣術が優れているわけでもない、剣を振り戦う武士の威圧感等もない、しかし彼ら武士と同じであり、心の強さでは負けない。そんな武士なのだと思った。


また、猪山家も素晴らしい家族である。

食卓を家族で囲い、息子は父を尊敬し、父は息子を甘やかすことなく厳しく指導する。
猪山家はまさに理想の家族の形なんですよね。
古き良き日本の家族。だからなのか観ていて懐かしい、そして知らぬ間に猪山家の一員になっている気さえしてしまう。
とても魅力的な家族でした。



この家族が本当の家族に見えたのはやはりキャスティングの妙でしょう。
どのキャストも嵌っているんですよね。
特に堺さん、猪山直之は堺さんしか演じることは出来ないと思います。
直之の誠実で穏やかなあの性格は堺さんそのものの様な・・・
時折可愛らしい反応をしたり、お駒との会話で少し照れる表情や、息子・直吉をしかる時の迫力ある声等、流石「笑顔で喜怒哀楽を表わす男」と言われるだけあるなぁと改めてその魅力を感じました。


仲間由紀恵さんもとてもお駒という女性にぴったりなキャスティングだったと思います。
お駒は芯がしっかりとした強い女性。愛情も深く、そして可愛らしい。
そんな仲間さんと、堺さんはふんわりとした雰囲気が似ているからという事も相俟って、自然でとても良い夫婦でした。

本作は加賀藩の御算用・猪山直之とその家族の生涯を激動の時代を背景に描いた作であり、派手さはなく、淡々と話が進みます。
しかしその淡々とした作りがじわじわと心を温めてくれる様な気がします。
現代日本に失われた物が沢山詰まった笑いあり、涙ありの温かい作品でした。



追記は初日舞台挨拶レポです!
↓↓↓




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テーマ : 日本映画
ジャンル : 映画

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るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


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