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『大統領の理髪師』  時代に翻弄されながらも懸命に生きた人々の物語

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大統領の理髪師

出演■ソン・ガンホ、ムン・ソリ、リュ・スンス、イ・ジェウン、ソ・ビョンホ、パク・ヨンス、チョ・ヨンジン、オ・ダルス

監督■イム・チャンサン






<ストーリー>

 1960年代の韓国。大統領官邸“青瓦台”のある町、孝子洞で理髪店を営むごく普通の男、ソン・ハンモ。彼は、近所の人々同様、大統領のお膝元であることを誇りに思い、時の政府を妄信的に支持し、熱烈さのあまり町ぐるみの不正選挙にも加担するほどだった。新米助手のキムを無理やり口説いて結婚し、やがてはかわいい息子ナガンも生まれ幸せな毎日を送るソンに、ある時大きな転機が訪れる。ふとした事件をきっかけに、彼は大統領の理髪師に選ばれるのだった。これによって、ソンは思いがけず、権力をめぐる政争の渦に巻き込まれてしまうのだった…。


2004年 韓国   (原題 『孝子洞の理髪師』)


(「allcinema online  大統領の理髪師 」 より引用。)






  1960年~1980年代にかけての韓国激動の時代、大統領のお膝元である孝子洞の理髪師ソン・ハンモとその家族をメインに、懸命に生きる市井の人々を描き、韓国近代史を織り込んだ作品。


 ソン・ハンモの息子、ナガンのナレーションに始まる冒頭はどこか温かみがあり、ナレーションの後に描かれる父ソン・ハンモと母の‘馴れ初め’シーンで笑を誘う。ソン・ハンモ・・・どうしようもないと(笑)


 この作品の魅力のひとつは主人公ソン・ハンモのキャラクター。頭は弱いけれど真面目で家族思いの優しい人物。家族と平凡な暮らしをしていたこの素朴な男・ソン・ハンモの理髪店にある人物が来店したことから彼の平凡な人生が一変。なんと大統領専属の理髪師になってしまうのだからさぁ大変!


 初めて大統領の散発をするシーンは、ソン・ガンホの細やかな演技によって ソン・ハンモがとても緊張している事が伝わってくる。そして私も彼と同じように緊張してしまいました。観ていて冷や冷や・・・何かしでかすんじゃないのかとソン・ハンモがとる行動一つ一つが危なっかしくて観ていられません(笑)このシーンはソン・ハンモのキャラクターを描きつつ、一般市民と政府との距離を暗喩していた気がします。


 この作品は大統領専属理髪師となったソン・ハンモとその家族を描くと共に一つの政権(劇中に固有名詞は出ないが朴正煕政権)の台頭と崩壊、歴史的事件も描いています。


 ストーリー序盤の不正選挙に始まり4・19革命、ベトナム戦争、『シルミド』にも登場した青瓦台襲撃事件、共産主義者を見つける為に行なわれた拷問等・・・このシリアスな事柄ユーモアで包んで描いています。この絶妙なバランスは見事であり、コミカルに描く事で重大さを感じさせる。


 作品全編シリアスとユーモアが織り交ざっていて、笑を誘われるシーンが多々あると共に、時代の光と影を描いていて考えさせられる力があります。本作は当時の政権への皮肉が込められてるといってもいいかと思います。


 

 4・19革命の時に生まれた主人公の息子ナガン。「多くの人が死んだ時に僕は生まれた」といった彼のナレーションが入るのですが、ナガンに降りかかる様々な出来事を観ていると、ナガン=当時の無力な一般市民であり、そして終盤を観てナガン=希望なのであるのだと思いました。


 前半の国に忠誠を誓い、「閣下は国家だ」の台詞の通りに従うソン・ハンモ。しかしそんなは軍事政権下の抑圧された時代から、新たな時代の幕開けに向けて動き出すと共に次第に変化し始める。ソン・ハンモ親子は当時の人々全てを表しているのでしょう。

 

 主演のソン・ガンホは何をやってもその人物に嵌ってしまう俳優であると思うのですが、本作のソン・ハンモはとても良かったです。カッコいい父親として描かれているわけでわないのですが、ヒーローみたいな父親像なんかよりもごく普通の父親が愛する息子のためになんでもする姿がじつに良い。コミカルなシーンからシリアスシーンまでソン・ハンモの微妙な心情を表情で見せてくれます。


 妻役はムン・ソリ。『オアシス』『浮気な家族』とは違い、今回はこちらもごく普通な奥さん(インタビューではおばさんと言ってましたが(笑))。妙に合っているので驚きました。素なのかな??と思うほど(笑)もう少し見せ場があればなぁと思いました。


 この作品のメインキャラといっても過言でないのが息子役イ・ジェウン。ニカッと笑うその表情や悲しげな表情まで‘味がある’演技をみせていて、ソン・ハンモの息子にはピッタリでした。


 

 

 時代考証を徹底し、セットも当時の雰囲気をリアルに再現できるよう細かいところまで気をつかったということもあり、当時がどうだったのかは知りませんが、セットといい映像といいどこか懐かしさを感じさせてくれます。初監督作とは思えない出来栄え。


 

 ストーリー展開はいたって‘素朴’。しかし当時の人々の喜怒哀楽や生き様、風刺が描かれ、感動もしてしまう、そんな魅力のある作品です。




<参考・『大統領の理髪師』をより理解する為に参考になります↓↓>

 ・wikipedia 朴正煕

 ・大統領の理髪師 公式サイト



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大統領の理髪師@映画生活
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コメント

非公開コメント

1 ■秀作でしたねぇ♪

ソン・ガンホなくしてはできなかったであろう作品ですね!
それに韓国の近代史も、こうした歴史を背景にした映画で勉強することができました(b^ー^)
息子の描写は、いささか残酷のようでしたが、父子愛がよく現れていました。

2 ■こんばんは

ソン・ガンホは本当に凄い役者だなって思います!
何やっても、その役にはまりますよね~
『グエムル-漢江の怪物』は期待大です。

3 ■>なぎささん

秀作でしたね(^_^)

ソン・ガンホ、見事でした!!流石ですね。ソン・ハンモは彼でなくては出来なかった役であるし、彼だからこそ魅力あるキャラクターになったのでしょうね。

息子の描写から、当時子供までもが拷問されていたという事が分かりますね。酷いです。
その後のソン・ハンモが怒り、泣き叫ぶシーンや息子を背負って川を渡るシーン等、父子愛が表れていましたね。

4 ■>カヌさん

こんばんは(^_^)

ソン・ガンホの演技の幅広さは凄い物がありますね。コミカルな役からシリアスものまでこなしてしまう素晴らしい俳優ですよね。

私も『怪物』期待しています!!今年一番観たい作品といっても過言ではないです(^_^)

5 ■TBありがとうございました

こんにちは♪
お隣の国韓国の近代史に詳しかったらもっとこの映画をより理解できるのになぁと残念でした。
たっぷり皮肉も効いていそうでしたからね。
お涙頂戴モノではない韓国映画はパワーがあって好きです!

6 ■>ミチさん

韓国近代史に詳しければ作品の面白みが増しただろうなと私も思いました。映画を幾つか観ていると大体の知識は身に付くものの、詳しい事は分かりませんからね。

私もラブストーリーなどよりもこういった作品の方が好きなんですよね。

7 ■はじめまして1

TBさせていただきました。
歴史事実を背景に、ユーモアを加え、その上、切ない場面もつくってあるという、なんとも、すごい映画だと思いました。

8 ■>花さん

シリアスとユーモアのバランスが絶妙で、なんともいえない余韻が残る秀作でしたよね。
プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



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