スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『二重スパイ』   揺ぎない忠誠・・・・国家に翻弄された男女の数奇な運命。

日活
二重スパイ

出演■ハン・ソッキュ、コ・ソヨン、チョン・ホジン、ソン・ジェホ、イ・ファンジュン

監督■キム・ヒョンジョン






<ストーリー>

 1980年、冷戦下の東ベルリン。追っ手をかわし検問所を抜けるひとりの男がいた。男の名はイム・ビョンホ(ハン・ソッキュ)。北からの亡命者を装った工作員だった。ビョンホは厳しい取り調べを受けるが、次第に韓国情報部の信頼を得ることに成功。2年後にはスパイ活動を受け持つ国家安全企画部の正式な要員になる。そのころ彼に北からの指令が下った。連絡員の名はユン・スミ(コ・ソヨン)、ラジオの女性アナウンサーだ。しかし2人が恋に落ちたことから、運命は変わり始める…。



2002年  韓国


(「映画生活」 より引用)






?

 韓国の俳優で好きな俳優は?と聞かれたらペ・ユンジュン、クォン・サンウといった所謂‘韓流スター’ではなく、私は「ハン・ソッキュ」と答える(ソン・ガンホやユ・ジテ、チョン・ジヒョン等も好きですが。)。ハン・ソッキュはこう言っては失礼ですが俗に言う‘イケメン’ではないですし、若手でもない。しかしそんな事以上に魅力ある俳優であると思います。彼は‘演技で魅せる俳優’なんです。

?

 そんなハン・ソッキュの『カル』以来3年ぶりの映画出演作となったのが本作『二重スパイ。3年ぶりの出演、共演は『エンジェルスノー』のコ・ソヨン、シュリ』と同様南北問題を扱った作品ということで、かなりの期待が寄せられていた作品なのですが・・・



 ニュースでよく目にする北朝鮮軍事パレードから始まる。兵士たちが90度に足をあげ、乱れる事のないあの異様な雰囲気の行進の中に北朝鮮の軍服を着たハン・ソッキュの姿が・・・・。


 今回、ハン・ソッキュは『シュリ』の時とは異なり、‘南’の人間ではなく‘北’の人間を演じている。軍事パレードの中にハン・ソッキュを入れることで、北朝鮮の人間である事をすぐに観客が認識できるようにされていると共に、この一糸乱れぬ兵士たちの姿で「どのような国か」を印象付けている。軍事パレードの映像を入れるとは・・・。またハン・ソッキュが演じる主人公・イム・ビョンホの忠誠心もこのほんの数分の映像で分かるようになっているのはなかなかだなと思いました。


 東ベルリンに銃声が響く。一人の男が必至に逃げている。男はボロボロになりながらもついにゲートを越える・・・主人公イム・ビョンホが韓国へ(偽装)亡命に成功したのである。このシーンは緊迫感があり、北朝鮮の命を受け、これから「二重スパイ」となるイム・ビョンホの過酷な運命の幕開けである(いや、イム・ビョンホは産まれた時が過酷な運命の幕開けなのかもしれません)。


 非常な韓国の拷問にも耐え、信頼を勝ち取ったイム・ビョンホは‘韓国側の人間’になる。亡命シーンもそうですが拷問の描写がリアルで見ていて辛いです。しかし実際にこういったことが日々行なわれていたと思うと恐ろしく、政治によって人生が狂わされ、自我を出さぬように生きることが当たり前になってしまうとはぞっとする。


 揺ぎない忠誠心で任務を遂行するイム・ビョンホだったが、ユン・スミ(コ・ソヨン)と出会い、運命の歯車が狂い始める。


 

 南北分断の悲劇をテーマにしたエンターテイメント作として『シュリ』『JSA』が挙げられますが、本作は『シュリ』『JSA』とは異なる視点で南北分断を扱っている。主人公が北朝鮮工作員というものそうですが‘二重スパイ’という今までにない要素が加わっているのが本作の魅力であり、特徴です。


 軍事パレード、脱北、過酷な拷問、工作員としての任務・・・など前半はイム・ビョンホを通して南北分断や、工作員の任務、歴史の暗部が適度な緊張感と共に描かれていて良いのですが、後半から次第にその魅力が失われていく・・・というか‘二重スパイ’となっているのに緊迫感があまり感じられなくなっていた気がします。


 後半こそ盛り上がるはずなのですが、どうもこう感情が盛り上がりませんでした。予想通りの展開になっていったのが要因なのかもしれません。



 また南北分断の悲劇にラブストーリーを織り交ぜるのはまぁありきたりではあります。なのでそのありきたりな要素をいかに他と差別化を図るかが重要だと思うのです。本作の場合、それほどラブストーリーを感じさせなかった事で差別化を図っていたような気がします。というのもどうもイム・ビョンホがユン・スミを愛しているようには思えなかった。愛情と言うものとは別の感情だった様な気がしました。


 私はラブストーリーが前面に押し出されなかった事は良かったと思います。ラブストーリーの要素が強かったのならば、作品のテーマや雰囲気が弱く、そして損なわれてしまうと思うので。


 本作は『スパイ』というものの派手なシーンは全くない。全編暗く、希望も感じられない。そうした点からリアリティーに満ちた作品になっていると思います。


 ただ、先に述べたように前半はいいが後半の展開がイマイチ。特にラストは読めてしまいます。この手の作品にありがちなラストです。‘現実’を考え。そして作品のメッセージを考えた場合、ああいったラストになるのは納得ですが、何かあと一捻り欲しかったなと思いました。



 しかし、ハン・ソッキュの好演は本作でも光っていた気がしました。‘魅力全開’とまではいっていない気もしましたが、作品を締めていたのはやはりハン・ソッキュの存在が大きかったと思います。

 



 南北分立により、運命に、歴史に翻弄された二人を観て居ると切なく悲しくなる。平和であったら主人公達の運命も大きく変わっていたのだろう。派手なアクションシーンが沢山あるわけではありませんが、じんわりした‘韓国映画らしい’作品です。




 ~※~※~※~※~※~ 


 さて韓国で公開前から期待されていたと最初に言いましたが、本作は興行的に失敗した作品なんです。『シュリ』や『JSA』と比べられてしまった事が大きな要因だそうですが・・・


 そして本作の興行失敗の‘汚名返上’になるか!?と注目され、私も楽しみにしていた『塩人形』((因みに共演はハン・ソッキュの妻役としてイ・ウンジュだった。)が製作中断となったり・・・色々とありました。(-_-;)


 


 



<参考>

『塩人形』 K-plaza.com 2003/11/20 http://www.k-plaza.com/news/200311/20031120.html



<当ブログ内関連記事>


『シュリ』


『JSA 共同警備区域』




二重スパイ@映画生活




 にほんブログ村 映画ブログへ



関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

1 ■無題

今夜、かりて観ます!!

2 ■>dhc1さん

今夜ですか~・・・って夜中ですよ(笑)

3 ■リアルに重いテーマでした

私も、いわゆる韓流スターというのではないハン・ソッキュ好きです♪
韓国側に忠誠を誓ったように見せかけてのスパイ活動は、バレるのではないかととってもドキドキしました。
この辺りが、やはりハン・ソッキュの巧さでしょうか。
コ・ソヨンの南に生まれながら、北のスパイとして生きなければならない葛藤も良かったと思います。
現在進行形のテーマだけに、深刻なものがありますね。

4 ■>なぎささん

ハン・ソッキュ細やかな演技によって北朝鮮工作員として生きる者の孤独や苦悩がよく表れていましたね。

現代も続いている問題だけに重い作品でしたよね。

5 ■インパクトが...

rainさん、こんばんは~!
期待に反して、興行的には失敗してしまった作品ですね。
ハン・ソッキュの演技が素晴しいだけに残念です。
それにしても、最初の方であった拷問シーン...凄まじかったですねぇ。。演技とは思えないほどのリアリティがありました。
でも、ハン・ソッキュは『淫乱書生』でも拷問されてたので...ちょっと可哀想にも思えたりして(T_T)
『007』のような“嘘っぽいスパイ”ではなく、リアリティーに満ちたスパイでしたが、それゆえに映画としてのインパクトが弱かったのかもしれませんね。

6 ■>makotoさん

こんばんは!!

最初の拷問シーンは観ていて辛かったですね。本当に演技とは思えませんでしたよね。

『淫乱書生』でも拷問されてるんですか!?ハン・ソッキュは痛い目によくあいますね(-_-;)
『淫乱書生』・・makotoさんのように韓国語が分かったらDVD観られるのにな~


確かにリアリティーを求めたためにインパクトが弱かったのかもしれないですね。そこがまた良いと思うのですがね・・(^^ゞ
プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



■TB、コメントお気軽に♪
(但し記事内容と関係のない物等はこちらの判断で削除させて頂きます。)
※コメントは承認制です。


※引っ越し前の記事にあるブログ内リンクは旧ブログのものです。(ランキング含)現在修正中の為リンク先には飛べません。
(旧blog⇒enjoy! MOVIE LIFE)

カテゴリ
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
join
リンク
RSSリンクの表示
favorite
「踊る大捜査線THE MOVIE3」2010年7月3日公開!



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。