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『ディパーテッド』  潜入―自身を‘殺し’、他を欺く孤独な戦い。

ディパーテッド [DVD]ディパーテッド [DVD]
(2009/07/08)
レオナルド・ディカプリオマット・デイモン

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出演■レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォルバーグマーティン・シーン 他・・・・

監督■マーティン・スコセッシ






<ストーリー>

 貧困と犯罪が渦巻く、ボストン南部で生まれ育った2人の男。犯罪者一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志すビリー。マフィアのボス・コステロに育てられ、忠実な“内通者”となるために警察官を目指すコリン。2人は互いの存在を知らぬまま同じ警察学校で学び、それぞれ優秀な成績で卒業。コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ。一方、ビリーに命じられたのは、マフィアへの極秘潜入捜査だった…。


2006年  アメリカ R-15



(「映画生活 Gaga」  より引用)








アンディ・ラウ、トニー・レオン共演の香港ノワール映画の傑作『インファナル・アフェア』のハリウッドリメイク作品。リメイク至上最高額、ブラット・ピットがリメイク権獲得!など製作前から話題になっていましたが、リメイクと聞いたときは期待と不安がありました「これはアジアだからいいんだよね~」と話していたものです。

オリジナルが大好きな作品をリメイクされるとどうしても比べてしまうのがファンの性で、それは韓国映画『イルマーレ』のハリウッドリメイク版『THE RAKE HOUSE』はやはり比べてしまいました。頭では‘別物として観よう’と思っていてもやはり比べてしまうのですよね。なので、多くのファンをもつ作品をリメイクするという事は非常に難しく、エネルギーを要することであると思います。本作もオリジナルが大好きなので先述の不安があったのですが予告編の完成度の高さに不安より期待が上回りました。



前置きかなり長くなりましたが・・・




冒頭からハリウッドリメイクらしい雰囲気が漂い、自然と作品に入り込むことができるので、もうこの作品が‘『インファナル・アフェア』のリメイク作品である’という考えは消え、全くの別物として容易に観ることができました。

冒頭が完全にオリジナルと異なっているわけではないのですが、リメイク版のストーリー背景であるアイルランド系の置かれる立場やその時代。ジャック・ニコルソン扮するコステロという男、そして運命を変える出会い。コステロという悪の誘惑によって堕ちた少年コリン・・・・などがほんのわずかなシーンにテーマが集約されているので惹かれました。また後のマット・デイモンが扮するコリンの少年時代を演じている子役がマット・ディモンぽさがあったのも良かったですね。

?軽快な音楽にのせてビリーとコリン、そして彼らに関係する人物の運命は動き出す。犯罪者一族に生まれた自分を変えたいと警察官になったビリーに課せられた任務は無情にも‘犯罪者’になること。といってもそれは警察官としてマフィアに潜入するということですが、たとえ潜入であったとしても苦しいものがあると思います。この任務を言い渡されるシーンでのビリーの表情には上司に罵詈雑言を浴びせられてふつふつと湧き上がってきた憎しみや悔しさ、悲しみ等のいくつもの感情が絡み合った複雑な心情がうまく出ていました。レオ・・・演技に厚みが出たなと思いましたね。


 一方のコリンは野心に満ち、エリート警察官となり昇進街道まっしぐら。互いに過酷な‘任務’を課せられた二人の攻防戦、じつはこの二人の攻防戦には余り緊張感を感じませんでした(オリジナルを観ていたことが要因でしょうね・・・どうなるか知っているので(-_-;))。ニアミスするシーンはやはりこちらもドキドキしたものの、他はそれほどでも・・といった印象。


コステロ役のジャック・ニコルソンの存在が大きすぎて二人の存在がやや弱いなという印象を受けたのが先述のように感じた要因だと思います。いや~本作のジャック・ニコルソンは色々な意味で凄いです。後半のあのアドリブは凄いとしか言いようがない(笑)あれはあのシーンではいるのか・・・^_^;ネタバレになるので書きませんが是非鑑賞の際は映画館のシーンに注意してください(笑)



 作品のテーマがオリジナルでは‘無間道’つまり「無間地獄」であり、仏教的な思想が垣間見られたことに対し、『ディパーテッド』は ‘無間地獄’ではなく‘死者・故人たち’を意味するタイトルがつけられていることもあり、テーマが根本的に違うため描かれ方も違ってきます。

また『ディパーテッド』ではコリン少年が礼拝する姿が出てくるなどキリスト教(カソリック。)が背景となっていたと思います。カソリックがキーであると思い調べてみたら成る程なと思いました。カソリックの「原罪」がまさにコリンに当てはまるではないかと。詳しくは「Wikipedia 原罪 」をご覧下さい。


 タイト通り本作には『ディパーテッド』とい言葉が劇中何度か登場。潜入という任務においては他人を欺くと共に自身も欺く・・・つまり自分自身は‘死んでいる’という意味があるのかと思います。


また本作は死の描かれ方が特徴的です。劇中にコステロが「銃を向けられたときは警察もマフィアも同じだ。」というような台詞を言っていたのですが、つまりこういうことかなと・・・・‘死は平等’。
劇中の死の描かれ方は実に呆気なく人が死んでいく。この描かれ方に驚いたのですが、死は必然であるといったリアルさを出そうという意図が伺えます。カソリックの教えを知っているとこのあたり、もっと深く感じ入ることができるのかもしれませんね。



マフィアのボス・コステロとビリーの関係に重点を置いている為、コリンよりもビリーに感情移入してしまう。またコリンとコステロ、クーナンとビリーの関係の描写が弱いので山場であるシーンにイマイチ盛り上がれなかったのですが、描写が弱いことによって心の繋がりを感じたオリジナルの関係とは違い‘事務的’であるということが強く出ていたと思います。その‘事務的’さはコリンの方が強い、彼は政界進出の野心を抱くほどの者ですからコステロにただ利用されるだけでは終わらない人物。ビリーの性格と似ているが異なるという部分がこうした描かれ方によって上手く現れていたなと思いました。なので、オリジナルではラウに感情移入できても、本作のコリンには感情移入し辛いかと。



 ということで私は全く別物の作品として本作『ディパーデット』を観ることができたのです・・・・前半は。



というのも前半はところどころオリジナルと同じなのですが、殆どは完全オリジナルというテイストで描かれているのでオリジナルと比較しながら見ようなんてことは全く考えない。考える余地を与えないつくりになっているのです。


しかしですね・・・後半からオリジナルに忠実になっていく。そうなるとどうしてもオリジナルが浮かんでしまい無意識に比べてしまう自分がいたわけです。結末はオリジナルのキャラクターがいるので『インファナル・アフェア』とは異なるものの結末に向かうまでは大体が同じです。

予告編を見たときは「忠実にやるのだな」と喜んだものですが、いざ鑑賞してみると中途半端に同じよりも全く違うほうがリメイクしたことの意味や独自の良さが出たような気がします。前半のようにオリジナルにあまり忠実でいないままラストに持っていったならば例え『インファナル・アフェア』が大好きでも、よりこの作品を楽しむ事ができたのかなと思いました。



この作品の評価はオリジナルが大好きという方は低くなる傾向があると思います。まぁ仕方がないです。本作はこれはこれでいいとは思いますが鑑賞後は何か物足りなさを感じてしまいましたし、心理描写はオリジナルのほうが上手かったと私は思います。

オリジナルの心理描写は深みがあったなと。やはりああいった心理描写はアジア映画が得意とするものなのでしょうか。



しかし、オリジナルが好きでもこの作品を楽しむこともできますし好みで評価が分かれる作品ですね。まぁ一番にこの作品を楽しむ方法はオリジナルよりもこちらを先に見る!ということなのでしょう・・・。




<参考>

Wikipedia 原罪

Wikipedia カトリック教会


<関連・『インファナル・アフェア』三部作レビュー記事>

『インファナル・アフェア』 無間道、第一作・・・。闇に生きる男たちが辿る地獄への道。

『インファナル・アフェアⅡ 無間序曲』  無間道・・・運命が動き出す

インファナル・アフェアⅢ  終極無間』   悲しくも美しい終極




ディパーテッド@映画生活





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コメント

非公開コメント

1 ■こんばんは

記事を読んで、「うん!うん!そうだよね!」と、うれしくなっちゃいました。
オリジナルは、すべてのキャラクターそれぞれに感情移入出来ましたが、今回のはビリーくらいでした。
警部がビルから落とされても、ショックも感じなかったなあ~
オリジナルのモールス信号のドキドキ感を感じる事もなく、終わってしまったなあ~
インファをよくわかってる方の記事を読めて、うれしくて、ついついグチになってしまいました。
アジアだからこそのインファでしたね。
もっと、アメリカ風にアレンジしてくれた方が、よかったですね。

3 ■おはようございます

rainさん、おはようございます。

僕はオリジナルを観ていなかったので、比較視点はなかったのですが、とても楽しめました。
アメリカで公開するので、東洋的な思想の部分はぬぐってしまうのは仕方ないかもしれないですね。
リメイクというのもなかなか作品そのものの出来以外にも比較されるという点もあるので、製作する方々も大変ですよね。

4 ■ちょっと退屈だったです。。。

オリジナルはもの凄く「男の世界!」って感じなのかなぁ~って観たいと思いつつ、こちらが先になってしまった私です。
ハリウッドの脚本不足は深刻そうですね。
韓国や香港、日本もののリメイクも最近目立ってますね。
昨年は邦画が洋画の興収を21年ぶりに抜いたと聞いて、やっぱり!と思いました。
確かに近頃の邦画は元気ですよね。
そういうこともあってか、スコセッシ監督であっても今作には入り込めなかったような気がします。

5 ■はじめまして★

TB有難うございました。
レビュー読ませていただきましたが、全く同感です。
コステロ役にジャック・ニコルソンを持ってきたのは興行的には成功だったのかもしれませんが、あそこまで目立たせる意味がわかりませんでした^^ お陰で、ビリーとコリンがかすんでしまいました。オリジナルには敵いませんね。比べるなと言われても無理でした(笑)

6 ■TBありがとうございました

こんにちは♪
リメイクは全くテイストが違うものになっていましたね~。
やはり最初に見たオリジナルの印象は強いです!
ニコルソンは出てくると必ずその場をさらう怪演を見せますから、使う時は要注意かもしれませんね~。

7 ■>はらやんさん

アメリカとアジアでは思想などの違いがあるので確かにそういった部分は影響があると思います。本作はカソリックが背景のようですし(パンフレットより)。

オリジナルの評価が高い作品であると尚更リメイクする側も大変ですね。

8 ■>なぎささん

オリジナルは本当に良いので是非!

最近のハリウッドはリメイクが多いですよね。‘一昔前ならば‘ハリウッドリメイク決定’という言葉が新鮮であったものの、今では「またか・・・」と思ってしまいます^_^;

本作・・・実は途中睡魔と闘ってました(笑;)レビューでは良い所も書こうと思って頑張りましたが。

9 ■>とんちゃんさん

ジャック・ニコルソンは予告では渋くて凄みのあるボスなんだろうと思っていたのですが実際に見て驚きました。かなり目立っていると共に後半のあの行い(笑)

そうなんですよね・・・比べるなといわれてもやはり比べてしまうんですよね^_^;

10 ■>ミチさん

オリジナルとは全く違うものになっていましたね。

しかし私もオリジナルを先に観ていたのであの衝撃が大きく、本作は少し物足りなく感じてしまいました。


ニコルソン・・・確かに要注意ですね(笑)

11 ■無題

こんばんわ
TB&コメントありがとうございました!
私はこちらから観たので、危ない世界にぐいっと引き込まれました。
うぅーん、、でもカトリックの考え方はやっぱりわからない(^^;
きっとインファの方がそういうとこが理解できて
また面白いんでしょうね。
観ようと思いながら、3部作なのでなかなか手が出せず。。

12 ■こんばんは

>中途半端に同じよりも全く違うほうが・・・
まさにそのとおりですよね。元のストーリーがいいから、変えづらいとは思うけど、改悪って気がします。
この映画観終わった後、インファナル・アフェアの3部作DVD、買っちゃいましたよ(^^;

13 ■>PINOKIOさん

私もカトリックの考えは良く分かりませんが、カトリックの原罪がコリンに当てはまる事から恐らく何らかは関係しているんでしょうね。

インファは仏教思想が色濃く出ていたと思うので確かに理解しやすいかと思います。けれど結構複雑に創ってるんですよね^^;

オリジナルはお勧めです!一作目だけでも楽しめますよ(^_^)

14 ■>カヌさん

こんばんは!
途中までオリジナルとは違うリメイク版テイスト全開で好印象だったのですが、途中から同じになるとどうしても比べてしまい・・・評価が下がるんですよね^^;

あ、私も観賞後オリジナル三部作DVD欲しくなりました(私)カヌさんは買われたのですね!
プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


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■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
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