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観劇 『シダの群れ』

作:岩松了
演出:岩松了
出演:阿部サダヲ(森本)、江口洋介(タカヒロ)、小出恵介(ツヨシ)、近藤公園(佐々木)、江口のりこ(リン)、黒川芽衣(ヨーコ)、尾上寛之(藤井)、ジョンミョン(オカムラ)、伊藤蘭(真知)、風間杜夫(水野)

※()内は役名


観劇日:2010年9月11日 マチネ@Bunkamuraシアターコクーン


< あらすじ >
組長が病に伏している志波崎組。現在は組長の片腕である水野が仕切っている。
そこへ組長の愛人・真知の息子で組員から信頼を得ているタカヒロが刑期を終えて帰ってくる。
組長にはタカヒロともう一人本妻との間に息子がおり、息子のツヨシは妻のリンとの間にマサハルという息子がいるが、愛人のヨーコも子を宿していると知り、組でのヨーコの風当たりが厳しいものになる。
そんな中ツヨシの息子マサハルが敵対する組に拉致されそうになる。この危機的状況を誘発させたのはタカヒロを慕う森本であった。
マサハル拉致未遂、病に伏す組長と跡目問題が現実味を帯びてくるにつれ夫々の思いが交錯し・・・




公式サイト bunkamura 『シダの群れ』 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/10_shida/index.html
※上記公式サイトでは動画配信中。何と舞台の映像が少し観ることが出来ます。(2010年9月20日現在)





久しぶりの更新。拍手を幾つか頂いていたようで嬉しいです。有難うございます!



先に内野聖陽さんの『イリアス』を観劇したのですが、観劇ほやほや(?)の『シダの群れ』から。
『イリアス』は後日書きます。



今まで観劇した中で一番舞台から遠い席でして・・・S席一階と言えど、あれはもはや中二階席。
オペラグラスを久しぶりに使いました。この舞台はいかに役者の演技を読み取るかが鍵なので、前方の席のほうが良かったなぁと思いました。



また、冒頭からハイスピードに進むので、予め大まかなストーリーと役名を観てから行くと良いかもしれません。
何も予習せずに行ったので、最初人物関係を把握するのが大変でした。



任侠物の舞台の為、この手の作品の定番と言える権力抗争のお話。
なので激しいドンパチや犠牲者、裏切り、裏社会での絆等映画等で描かれる任侠物お決まりのモノが舞台上に展開。


そして裏社会に生きる者の悲哀と、各々の魂胆が絡まりあい衝撃のラストを向かえる。



派手な演出も無いし、説明も少ない舞台なので、役者の演技、台詞の一つ一つが重要で一時も油断ならない。
しかし緊迫感だけではなく随所に笑いを散りばめて緩急のバランスを取っていた。


また男性メインの話とも、女性メインの話とも読み取れる多面的な作りなのも面白かったです。
女性三人だけになるシーンなんてセリフは少ないながら、冷たい空気感を伊藤蘭さん、江口のりこさん、黒川芽衣さんが作りだしていてドキドキされられました。
女性視点で見るとまた違った作品に見えてくるかもしれませんね。



本作のタイトルにある「シダ」、シダ植物は種子植物ではなく、胞子によって増える植物。
植物は種子によって増えるという認識のほうが強く、胞子で増える非種子植物の事を意識する人は少ないと思います。
つまり、裏社会に生きる人々=シダ。

シダは何だか種子植物(=我々“表社会”)から疎外されたモノという様に捉える事も出来ますし、そういった植物が集まって生えている様は何だかこの志波崎組の人々の様に思えます。


裏社会に生きる彼らは心のどこかで孤独感を抱き、常に気が張っており、他人事を完全に信じるという心はもう持っていない。
そんな彼らは組に集まり疑似家族を形成している。まさにシダの群れ。

また家族の象徴として食卓がよく映画等で使われますが、この舞台での食卓シーンはやはり疑似家族の食卓シーン、居心地が良いものではなく、観ていてハラハラさせられました。
案の定衝撃的な出来事がいくつか起こります(特に阿部サダヲさんのあれは凄かった・・笑いと引きが会場を包む異様な事態に(笑))。



舞台上でも常識が通じず「え?何で?何なの?」という何だかつじつまが合わない台詞や出来事が次々に起こるのですが、常識が通用せず、非常識というか不条理が常識の様なこの世界を表すかのようでした。


各登場人物が曲者で、何を考えているのかが読めないんですよね。


そんな中で一番分かりやすかったのが阿部サダヲさん演じる森本です。
彼はこの中では常人に近い感覚の持ち主で、この世界でしか生きていけないが為に組織に役に立ちたいという“組の為”という気持ちが強い。

そのためにタカヒロへの信頼とともに組織人としての自分を考えて揺れ動く。


森本の微妙な感情の揺れを時にエキセントリックに、そして期待通りコミカルな演技で観客を惹きつけた阿部サダヲさん。
阿部さんならずしてこの舞台は完成しなかったといっても過言ではないほど本当に演技が素晴らしかった。


阿部サダヲさんは出てきただけで観客から笑いが起こるのです(笑)

動きの一つ一つが面白くて可愛いらしいのですが、我に返る瞬間や、突然狂気じみた笑い声を上げた瞬間は怖くなりましたね。
本当に上手い!舞台の阿部さんは映像作品で見るよりも魅力的でした。



風間杜夫さんは流石ベテラン、舞台に居るだけで締まりますし、迫力がありました。

江口洋介さんはスタイルが良くて本当にカッコよかった・・・人格者のタカヒロ兄さん役が嵌っていて、この人なら皆が信頼していついていくのも納得だなと思わせる静かでいて内に秘めた熱いモノが伝わってきました。

ツヨシ役の小出君はもう本当に危なっかしい若頭。
怒鳴り声が迫力がありましたし、若頭の格好が様になっていて、これまたカッコよかったです(笑)

他に黒川芽衣さんが薄幸そうだが妖しげな魅力を醸し出すヨーコ役を好演されておりました。


演技力に優れた魅力的な役者さんの競演がこの舞台最大の魅力だったなと思いました。
おかげで二時間半があっという間でした。


組織の長を失った時、危うい絆で結ばれていた者たちの、組織の均衡が崩れ始め、
疑似家族も崩壊の道を辿り始める。
しかし彼らの居場所は、存在意義を感じ取れるのはこの世界、組でしかない。
ならば何としても守らねばならない。

それが例え誰かを排除しなくてはならなかったとしても・・・・
裏社会だけではなく、集団心理を突いたこのテーマは恐ろしくも悲しい。


全ての出来事が見える訳ではないこの舞台。

人の命が失われる瞬間も唐突で呆気なく描かれる。それが余計に全ての出来事がリアルさを増し、自分もこの世界に放り込まれたかのような感覚なる不思議な作品でした。


カーテンコールで男性が「アニキ~!!」と叫んでいました。
確かに叫びたくなる気持ち、分かるかも(笑)


※【追記】にネタバレ。


参考:
Wikipedia 「シダ植物」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%80%E6%A4%8D%E7%89%A9
※以下ネタばれです!!


いや~阿部サダヲさんって凄いですね。
阿部さん居るだけで舞台の雰囲気違いました。

コミカルな動き、たとえば電球を替える時に椅子がガタガタして(阿部さんが揺れる揺れる)焦る姿や、
風間さんに台所の流しに入れられたり、極めつけはお寿司リバース(笑)
笑わせていただきました。


こんなにコミカル演技をしておいて、タカヒロが後を継げないと知った時の笑い声や、ラスト風間さんを撃つ時の表情の狂気が凄まじかった。


凄い役者さんだなと改めて思いました。


「つぐない」が流れるラストは凄惨なあの現場に産まれた言いようのない絶望感と悲壮感が凄かったです。

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テーマ : 演劇・舞台
ジャンル : アイドル・芸能

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るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



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