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『親切なクムジャさん』  復讐三部作完結編。白い雪と共に・・・


ジェネオン エンタテインメント

親切なクムジャさん プレミアム・エディション


出演■イ・ヨンエ、チェ・ミンシク

監督■パク・チャヌク




<ストーリー>

13年間無実の罪で刑務所に入れられていた美しき女イ・クムジャが出所する。服役中、誰に対しても優しい微笑みを絶やさず「親切なクムジャさん」と呼ばれていた彼女だが、自分を陥れた男に復讐するため計画を開始する ・・・。


2005年 韓国  ※R15

(Amazon.co.jpより)





“復讐三部作”完結編。

今回の復讐者はイ・ヨンエ。

テーマは勿論“復讐”なのですが、今作は“贖罪”もテーマとして加わっています。

無実の罪で13年間監獄に入る事となったイ・クムジャ。彼女は刑務所内では天使の様な人-“親切なクムジャさん”と呼ばれていたが。この親切はある男への復讐の為・・・


白地に赤い薔薇、血等が荘厳でどこか悲壮感漂う音楽と共に描かれるオープニング・・・白と赤はこの作品ではキーとなる色彩でこれから始まる壮絶な復讐劇を暗示しているかのよう。
冒頭の出所シーンはクムジャさんのミステリアスな雰囲気が描かれ彼女に興味がわく。

作品前半は刑務所仲間がクムジャさんにしてもらった“親切”を語り、クムジャさんという人物を説明しているのですが、こういうやり方は面白い。親切エピソードはブラックユーモアを織り交ぜ、漫画的な描写があるなど少々現実離れしていて、監督の作品らしい。

刑務所では“天使”のクムジャさん。出所したら“悪魔”のクムジャさん・・・このクムジャさんの心情の変化を衣装、髪型、メイク等で描き分けている。

また全く顔色を変えなかったり、時に顔を歪めて怒り、泣くクムジャさんの複雑な心理をイ・ヨンエは見事に演じていた。空っぽになってしまったクムジャさんは感情と表情が一致しない・・・復讐に燃えるがゆえに。各シーンで観せる彼女の表情に注目です。

後半は壮絶な復讐劇。非情な男、ペク先生をチェ・ミンシクが貫禄ある演技で好演。チェ・ミンシクはやはり上手い。


今回の復讐は意外な方向に向かいます。“究極の親切”による復讐―そうきたか・・・と思いました。

観る者も復讐者と同様の感情にさせる手法により、復讐を正当化させる・・・これは観ていて複雑な心境になりました。これこそ監督の狙いなのです(パンフレットにこの“狙い”というかメッセージが書かれていますので、是非ご覧になって下さい。)。

ブラックユーモアを各シーンに織り交ぜ、漫画的な描写も所々登場します。
これらのシーンから“残酷な童話”といえるかと。監督は【グリム童話】を意識したそうですからね。

この作品は“復讐三部作”の前二作出演者がカメオ出演しているのも見所。
ユ・ジテはとても意外な役で登場します。前二作の出演者を出演させたのは「三部作といえども繋がりがなかったので、持続性を持たせたかった」からだそうです。


私は映像とセリフも前二作と繋がりがあると思いました。降り積もる雪、クムジャさんの部屋の壁、坂道、「いい誘拐と悪い誘拐」・・・全てが意味を持っています。

特に“雪”はキーポイントです。

“復讐三部作”は色や独特のカメラワーク、素晴らしい音楽も共通しているいとも言えるでしょう。

過激な描写は相変わらずですが、前二作程のインパクトがなかったのが少し残念。

過剰な期待をしていたのもあるかもしれませんが、前二作ほどのものではありませんでした。
しかし、今作が復讐三部作の中で一番後味が悪くなかった。ラストシーンは完結編に相応しいものとなっています。

この作品も前作同様人を選ぶ映画です。万人受けせず好き嫌い分かれると思います。

しかし、監督はただ残酷な描写を映すだけでは無く、復讐の無意味さ等も描いていると思います。

イ・ヨンエ主演、ヒューマンドラマ×バイオレンス作品です。



「親切なクムジャさん」関連

<ブログ内>

『オールドボーイ』 15年後の開放・・それは壮絶な結末への幕開け

『復讐者に憐れみを』 断ち切ることのできない復讐の連鎖



朝鮮日報  (パク・チャヌク監督が「誤解が多い」と語っております。ややネタバレ気味です。)
韓国国公式サイトの日本語訳  (イ・ヨンエのファンサイト)


親切なクムジャさん@映画生活



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コメント

非公開コメント

1 ■TBやコメント有難う御座いました。

確かに復讐した所で、殺された者は帰って来ないし、無念さがはらせきれる物では無いですよね。

古い映画ですが「目には目を歯には歯を」という人間心理をモロに出した復讐劇を子供心に見て、真の復讐とは、こういう事なのだと震えた覚えが有ります。

2 ■>hiropooさん

こちらこそコメント有り難うございます(^^)




復讐三部作には必ず復讐の無意味さ、復讐をしてもさらに虚無感が増すだけ…という事も描かれています。この作品もそういった事がしっかり描かれていたと思います。




なのでラストシーンは感慨深いです。

5 ■トラバありがとうございました

たしかにこの作品、万人受けする映画ではないですよね。
わたしも人にお勧めするのには躊躇します。
面白いのにね。
わたしは最近重めのバッドエンドな映画しか観てないのでそろそろ甘ったるい恋愛物に走ってしまいそうです。

6 ■>唐須さん

復讐三部作はいい作品なのですが人に薦めるのは躊躇してしまいますよね(^^ゞ

「親切なクムジャさん」青龍映画祭で作品賞、主演女優賞など受賞したようですね(^_^)

7 ■クムジャさん

こんばんは\(^o^)/
「韓国映画を楽しみましょう」の管理人の「たやけん」と申します。m(__)m
トラックバックありがとうございます。m(__)m
「親切なクムジャさん」は怖さ・つらさ・悲しさなど一言では言い表せないいろいろな人のいろいろな思いを感じました。(>_<)
イ・ヨンエさんの他の主演作品では「ラスト・プレゼント」が特に好きです。(^_-)-☆

8 ■>たけやんさん

コメントとTBありがとうございますm(__)m

クムジャさんはまさに復讐三部作の総決算といった作品でしたね(^^)

『ラストプレゼント』のイ・ヨンエ良いですよね。

9 ■TBありがとうございました。

こちらからもさせていただきました。
復讐の愚かさ、はれぬ無念のような
やりきれなさを感じたましたね。

10 ■>ユカリ-ヌさん

コメントとTB有難うございます。
復讐三部作の完結編に相応しい作品だったと思います。
三部作共通のテーマと言える復讐の無意味さがよく描かれていましたよね。

12 ■>TAKIさん

ほんとう、パク・チャヌク監督の映像美は見事ですよね。本作でも暴力的な映像とは対照的に美しく鮮やかな色彩や、雪の扱い方などが描かれている点がさすがだなと思いました。

こちらこそ宜しくお願いします(^_^)

14 ■無題

今晩は☆
TB有難うございます。^^
「ナルニア」にはコメントも戴いて重ねてお礼申し上げます。

女性が主人公ということで、前作とはまた違った印象でした。
インパクト重視な自分としては前作の方が好みなのですが(苦笑)
独特の色彩や音楽などは印象的でした。
後味も良いシ、トリを飾る作品としては良かったかなぁ~と思います。^^

15 ■>kimion20002000 さん

>映画的表現では、そんなものは、すべてとっぱらってしまっても、いいんだ

仰るとおりです。映画というものは余計な概念は排除可能であり、表現方法も多様です。
しかしそう捉えない方にとって監督の作品は「インモラル」であり受け入れがたいものになっているようです。

しかし三部作とも人間の根底にある心理を上手く表している作品でしたね。
プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



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