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『グリーンフィッシュ』 イ・チャンドン監督デビュー作。ハン・ソッキュ主演の‘韓国ノワール’

アミューズソフトエンタテインメント
グリーンフィッシュ

出演■ハン・ソッキュ、シム・ヘジン、ムン・ソングン、ソン・ガンホ

監督■イ・チャンドン





<ストーリー>


除隊して家族の待つ故郷へ帰ってきたマクトン。だが、家族は離れ離れになり、それぞれの生活に忙しかった。彼の脳裏に、今はない一家だんらんの光景がよみがえる。そんなマクトンは故郷に帰る途中で出会った女性ミエの誘いを受け、新興のやくざペ・テゴンの下で働くことになる。組織の中で次第に頭角をあらわしていくマクトンは、いつしか組織の抗争の渦に巻き込まれていく……。


1997年 韓国

(「allcinema グリーンフィッシュ 」  より引用)




 『ペパーミントキャンディー』『オアシス』のイ・チャンドン監督のデビュー作。この作品でハン・ソッキュは1997年の大鐘賞をはじめ、様々な映画賞を受賞しました。


 除隊し故郷に帰る途中の汽車でみかけた美しい女性に惹かれ、彼女のスカーフを拾う。美しい女性・ミエがチンピラ風の男に絡まれているところを救ったマットン。マットンの手にはミエのスカーフが残った。強い正義感と向こう見ずな性格のマットンは男と汽車から降りての殴りあいをしていたため、汽車に乗ることが出来なかったが、そんな事よりもミエとの出会いに心弾ませるマットンの心理がハン・ソッキュの表情に表れていました。このどこかロマンテックな雰囲気を醸し出す冒頭。この冒頭とラストのマットンの落差が非常に物悲しく空しいのです。


 ミエと再会したマットンは彼女への想いを募らせる。彼女から仕事を紹介してもらったのはいいけれど、これが破滅の扉。マットンは知らず知らずのうちに暴力団の仲間になってしまう。淡々とストーリーが展開していくので‘知らず知らず’深みに嵌っていく過程が描かれ、それがまた一層作品のテーマや雰囲気を引き出していると思います。ごく普通の若者の日常が、そしてマットン自身が崩壊していく様が浮き彫りとなりもう引き返せないという思いで一杯になる。


  この作品は急速に経済成長を遂げた時代のその光と闇を見事に描いていると思います。

 “ざらっ”として、緑がかった映像は作品には効果的であり、その映像には郷愁と哀愁に帯びている。音楽が少ないのもその哀愁感がより増す。

 マットンの家族は昔と違って今は‘バラバラ’。昔のように家族が一つになって欲しい。家族で食堂をやる事がマットンの夢。この夢の実現のためにどんな事でもするマットンの姿を見ているととても辛い。

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 兵役を終え帰って来た青年が直面する理想と現実の大きさ。純粋だった彼はその現実にやがてイノセンスが喪失していく。そんな現実の中でも夢を持ち続けた主人公の様が物悲しくやるせない。イ・チャンドン監督の作品『ペパーミントキャンディー』『オアシス』、そして本作に共通する事は‘イノセンス’。

 監督のメインテーマであり、本作では「家族」「時代」とともに‘イノセンス’もメインテーマなのでは・・・と思いました。



 マットン役のハン・ソッキュは目で主人公の内面を表現する演技をしており、多くは語らないがその表情で全てを物語っていました。やはり上手いですね。各シーンでマットンの繊細な心理を見事に演じていました。賞を受賞しただけあります。


 じつはソン・ガンホもこの作品に出ているんですよね~。暴力団員役なのですが、やけに嵌ってます。残酷な事も平気で行なう非情さを感じるシーンがあるのですが、もう本当に嫌なやつに見えるほど好演していました。ハン・ソッキュとソン・ガンホは『ナンバ-スリー』という同じくヤクザもので共演していますね。『シュリ』では相棒・・・今思うと物凄く豪華な共演。もう二度とないんでしょうね。また観てみたいものです。



 題名の『グリーンフィッシュ』とは主人公マットンが幸せだった時の象徴であり、少年時代の家族との良き思い出であります。しかし、この『グリーンフィッシュ (緑の魚)』には、清らかで美しい川に泳ぐ魚が、やがて川は汚れ魚も汚れ…とまさに主人公マットンの事を表しているのではないかなと思いました(ちょっと考えすぎかもしれませんがね(^^ゞ)。


 実に韓国映画らしい作品であり、香港のノワールとはまた違った‘韓国ノワールムービー’。

 


 ハン・ソッキュ主演の感慨深い秀作です。




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グリーンフィッシュ@映画生

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コメント

非公開コメント

1 ■さすがハン・ソッキュ!

rainさん、こんにちは~!
遅ればせながら、ようやく見ました。
冒頭の列車でのシーンは、ちょっと馴染めなかったのですが...
テゴンに忠義を尽くしていくあたりから、だんだんとのめり込んでいけました。
やはり、夢と現実というか...マクトンの死を知った家族の悲しみと、その後に彼の夢だった食堂を開いて幸せに暮らしている風景とが、悲しみを物語っていたように思えます。
香港ノワールとは、やはり一味違いますね。

2 ■>makotoさん

こんばんは。レスが遅くなってすいませんm(__)m

結構昔の作品ということもあり、私も最初の列車のシーンは少し馴染めなかったです。しかし派手な展開もなく、淡々と進んでいく作品ですが、次第にのめり込んでしまいますよね。

ラストシーンにマクトンがいないことがととえも悲しいですよね。あのラストといい、香港ノワールとは違いますよね。
プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



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