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『グエムル 漢江の怪物 』   怪物映画を超えた‘怪物’。ポン・ジュノ監督最新作!

グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション
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出演■ソン・ガンホ、ペ・ドゥナ、パク・へイル、ピョン・ヒボン、コ・アソン、キム・レハ  他・・・・

監督■ポン・ジュノ




<ストーリー>

 ソウル中央を流れる雄大な河、漢江(ハンガン)。そこで売店を営んでいたパク一家は突然、河から巨大な怪物が人々を食い殺ころしながらこちらへ向かってくるのを目撃。父親のカンドゥは必死に逃げるが、パニックの中で娘を怪物に連れ去られてしまう。当てにならない韓国政府や米軍部隊に業を煮やし、一家は救出に乗り出す……。


2006年 韓国

(「映画生活 グエムル漢江の怪物特集 」 より引用。)





 ※今回は激しくネタバレしております。ご注意くださいm(__)m>



『ほえる犬は噛まない』、『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督最新作。私が今年一番見たかった映画がこの『グエムル―漢江の怪物―』です。 



 予告を観たとき、『宇宙戦争』のようだなというのが最初の感想。パンフレットでも指摘されていましたが『宇宙戦争』似ている部分もあります。しかし、『グエムル―漢江の怪物―』は‘凄かった’。  



 冒頭の毒物を流すシーンは2000年に実際に起きた事件をもとにしている。この漢江に流された毒物が原因で‘怪物’は生まれる。怪物誕生の原因は『ゴジラ』と似ているものがあります。そこが恐らく怪獣映画が持つ奥深さなのだと思うのですが、本作は一見たんなる怪獣映画かもしれませんが実に深い。漢江のように深いのです。  


 いつもと変わらない穏やかな漢江。‘平和の象徴’である漢江に悲鳴が響く―突如現れた謎の生物‘グエムル(以下怪物)’によって漢江は地獄と化す。この怪物登場シーンは実に怖い!じつは観る前は「どうせいかにも作り物で怖くないんだろうな~」なんて思っていたのですが、いざ観てビックリ・・・この登場シーンで衝撃を受けました。


 まず、怪物登場の時の音楽が『ジョーズ』の如く「く・・・来る!!」という気にさせ、恐怖を感じる。この音楽だけでも心臓がバクバクしましたが、その後の怪物が人々を襲うシーンでドキドキハラハラ度はMAXになりました。実際に自分がその場にいる気になるカメラワーク、人々の逃げる様、音楽、そして怪物の動き等が素晴らしく、釘付けに。  



 この怪物、姿は怖いというよりもどこかとぼけた顔をしているのですが、怖い。それはまず怪物の大きさ。ゴジラのように巨大ではなく、象を大きくした位の大きさが怪物の存在にリアリティーを持たせているのだと思います。そしてヌルヌルとした質感、脅威のスピードとバネ(主に尻尾をつかっていますが)といった怪物の動きがリアルで観ていて自分に迫ってくる気になるのです。


 WETAはじめハリウッド勢が手掛けているだけあります。いや~この登場シーンは怖かった。始まってすぐに怪物の姿を見せるあたりも好感持てました。  


 作品全編にユーモアがあり、ここぞという時にでも笑いがあるのは監督らしく、本作も監督前ニ作と同じ「ブラックコメディー」の要素があります。人によっては「なんでこんな時に笑いを入れているのか?笑う所?」と戸惑うかもしれません。しかしそこが監督作品の持ち味。監督らしいといえば‘現実主義’を感じる描き方です。クライマックスの怪物と家族の戦いがいい例。



 また前二作との共通点として、今回も漫画的な描写やスローモーションの効果的な挿入。独特のカメラワーク、社会風刺が本作でも顕在。単なる怪物映画ではない点ではこの社会風刺がまず挙げられます。  



 本作では怪物と戦うのはごく普通の家族(市民)です。前二作と同様、権力によって末端の人間が受ける様々な影響がパク一家と怪物の関係を通じて描かれています。それは各登場人物の台詞にも表れています。


 また本作では怪物を倒す為に軍人も科学者も出てきません。むしろ市民を虐げているようにも見える。パク家族にとっては大げさな言い方ですが‘敵’みたいなものです。怪物=国家とることが出来、怪物と戦うのが非力な市民であるということによって一層社会批判のメッセージが表れている気がしました。アイロニーを入れるあたりも監督らしいです。  風刺が利いている他にも本作が‘深い’理由があります。



 それは英題『THE HOST宿り主』という意味なのですが、このタイトルにも作品のメッセージが込められていると思います。ソン・ガンホがインタビューで「怪物の宿り主は社会」と言っていましたが、まさにそうだと思います。また子の宿り主は母である・・・つまり「母・母性」を意味しているのかなとも思いました。  



 怪物にさらわれたヒョンソが少年を守ろうとする。彼女に母性が芽生えた事を表し、そしてラストも「母」は「息子」を守り抜く。駄目な父親であったカンドゥが次第に父親らしく、愛する娘を救う為に変化していく様も母性ならぬ「父性」が芽生えた瞬間であり、ヒョンソによって「父性」は生み出されたともいえると思います。


 そして怪物を産み出したということと、市民の憩いの場であり、生活を支えていた漢江自体も「母」であると思いました。そう考えるとかなり深い。  


 ヒョンソのラストはハリウッド映画ではありえないもので、監督らしいなと思いましたが、やはりヒョンソには生きていて欲しかった。しかし、ヒョンソ=母によって‘生まれた’二人が‘家族’として過ごしているあのラストは監督のメッセージがよく表れている気もします。『THE HOST』から考えるとあの少年にヒョンソが‘宿っている’とも考えられますからね。(というかそう考えないとやりきれません・・・。)  


 ソン・ガンホ、パク・へイル、ペ・ドゥナ、ピョン・ヒボンらの演技は素晴らしく、やはりソン・ガンホの‘眼力’は凄かった。またちょい役で出演している(看護婦役)コ・スヒが『ほえる犬は噛まない』(チャンミ)、『親切なクムジャさん』(魔女)と同様存在感ありました。 怪物の声の40%を『オールドボーイ』『親切なクムジャさん』のオ・ダルスがやっているのも注目(といっても分からない(笑))。  



 本作は『パトレイバー』と似ているとパンフレットに書かれていますけど監督は『パトレイバー』を観た事がないそうですが、日本の漫画が好きなので影響は受けているようです。『寄生獣』が好きで本作にも影響を与えているようです。


 監督の作品って監督が好きだと言っている浦沢直樹の作品世界に通じるものがあると思うんですよね。本作を漫画にするなら浦沢直樹だ!と思いましたから。




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グエムル 漢江の怪物@映画生活



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<ポン・ジュノ監督作品感想記事>


『ほえる犬は噛まない』

『殺人の追憶』



<ソン・ガンホ、ペ・ドゥナ共演作品↓>

『復讐者に憐れみを』  断ち切る事が出来ない‘復讐の連鎖’



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『ほえる犬は噛まない』   ペ・ドゥナ×ポン・ジュノ監督がおくるシュールな日常世界


出演■ペ・ドゥナ、イ・ソンジェ、コ・スヒ、キム・ホジョン、ピョン・ヒボン 、キム・レハ
監督■ポン・ジュノ





<ストーリー>
?中流家庭の住む閑静なマンション。うだつの上がらない大学の非常勤講師ユンジュは、出産間近の妻ウンシルに養われながら教授を目指している。だが最近、飼うことを禁止されているはずの犬の鳴き声がマンション内に響き渡り、なかなか出世できない彼をイラつかせていた。そしてある時、彼はたまたま犬を見つけると地下室に閉じこめてしまう。一方、マンションの管理事務所で働くヒョンナムは、平凡で退屈な毎日を送っていた。そんな時、団地に住む少女の愛犬ピンドリがいなくなったと知り、正義感を燃やしてビラ貼りを手伝い始めるのだった…。

2000年  韓国?? (原題 『フランダースの犬』)

(「allcinemaonline ほえる犬は噛まない  より引用)







 傑作社会派サスペンス『殺人の追憶』、そして現在公開中『グエムル―漢江の怪物―』、のポン・ジュノ監督長編デビュー作。

 「ほえる犬は噛まない」とは‘口やかましいがそれ以上の事はしない者’といった意味を持つ諺。作品内容に合っているかは別にして、何とも面白い邦題をつけたものです。原題の『フランダースの犬』も良い味出していますがね(笑)


 本作を分かりやすく言うならば、団地で起きた‘連続子犬失踪事件’に関わる個性豊なキャラクター達の物語。


?なかなか教授になる事が出来ない大学非常勤講師ユンジュ(イ・ソンジェ)はマンションに鳴り響く犬の声にいつもイライラしていた。出世も出来ないし、妻にいつもきつく当たられるなどの日頃の鬱憤が積もりに積もった挙句、彼はとんでもない行動に出てしまいます。 
 


?前半はユンジュと‘連続子犬失踪事件’がメイン。いや~前半は凄いです・・・というか犬好きの私には辛い映像が出てきます。映し方が結構生生しいので余計ショックを受けました。この作品の感想を書くのはタイムリーですね(・・・何がタイムリーかというと今巷を騒がしている某作家さんの話題です)(-_-;)とにかく遠まわしに言いましたが本作を観る場合は覚悟してください。


 本作はありそうでなさそうな日常生活を淡々と描いているのですが、さすがポン・ジュノ監督、淡々としているが飽きさせないし、登場人物の心情の変化の描き方も丁寧。


 漫画のような構図、ヒョンナム(ペ・ドゥナ)が着ているパーカーの色である黄色を使い(画像の格好です)、感情の変化を表現したり、軽快なジャズと共にストーリーが展開する。


 そしてサスペンス、ホラー(?)、アクション(なのか??)、ヒューマンドラマ、コメディーといったあらゆるジャンルを網羅した摩訶不思議な作品。

?観た人でなければこの不思議な感覚は分からないと思います。感想を書くのが難しい作品です。


 本作に登場するキャラクターは実に個性的。それは大人、子供、犬までもが強烈な個性をもっています。 


 やたらに唾を吐くおばあさん、鍋が大好きな警備員、主人公ヒョンナムの親友チャンミ、うだつの上がらない大学非常勤講師のユンジュ、夫にキツクあたる妻、そして天然ぶりが魅力の主人公ヒョンナム・・・・う~ん、凄い(笑)

 各登場人物が個性豊で魅力的なのも本作の魅力の一つであり、このようなキャラクターによって例えば犬を食べる風習など韓国社会を風刺しているのが監督らしい。



 本作は特別盛り上がりがあるものではないし、コミカルなシーンも多々ありますが大笑いする程でもない。



 しかし・・・ジワジワくる作品。



なぜだか観終わった後清清しい気分になるのです。それはおそらく主人公ヒョンナムがユンジェに何らかの変化をもたらしたのと同じく、私も彼女の純粋さに触れたからかもしれません。

 そんな魅力的な主人公・ヒョンナムを演じたのはペ・ドゥナ。監督の最新作『グエムル―漢江の怪物―』にも出演しています。純粋で正義感があるヒョンナムにはまり役で本作はペ・ドゥナでなければ成り立たなかったといえるかと思います。

 またユンジェ役のイ・ソンジェの好演も光ります。イ・ソンジェが演じていると言われなければ分からない程の役への嵌りっぷりは凄いです。イ・ソンジェは役によって全く異なる顔を見せる俳優ですが、本作ではその才能を十分に発揮しているといえます。 
 ユンジェはユ・ジテでも合いそうだな~とも思いました。

 主演二人の脇を固める俳優の演技もまた魅力てきで、ヒョンナムの親友チャンミを演じたコ・スヒの体格を生かした演技は良かった。「こういう人いそうだな。」と思わせる雰囲気が日常生活を描いている本作とマッチ。親切なクムジャさん』の怪演も見事でしたが存在感ある演技をしますね。

 また『殺人の追憶』、『グエムル―漢江の怪物―』と監督の作品に欠かせないピョン・ヒボンの何処にでもいそうだがいなそうな・・・そんな個性的なキャラである警備員役が上手かった。本作を面白くしているのは彼の存在があるからとも言えるかと。



エンドロールに流れる本作の主題歌は一度聞いたらなかなか忘れられません! ブラックな笑が満載のシュールな‘日常生活‘。鑑賞後不思議な余韻がある作品です。



 余談ですが・・・公開時のチラシは上の画像の背景青バージョン以外にもオレンジや緑といった何バージョンも用意されていました。私は上のしか持っていません(;_;)




<関連>
『殺人の追憶』  タイトルに込められた意味・・・傑作社会派サスペンス。

『グエムル 漢江の怪物』  怪物映画を超えた‘怪物’



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吠える犬は噛まない@映画生活



『シルミド/SILMIDO』  歴史の闇に隠蔽された真実-‘実尾島’

アミューズソフトエンタテインメント
シルミド/SILMIDO

出演■ソル・ギョング、チョン・ジェヨン、イム・ウォニ、カン・ソンジン、カン・シニル、ホ・ジュノ、アン・ソンギ

監督■カン・ウソク

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<ストーリー>

 
1968年1月、北朝鮮特殊工作部隊による青瓦台(韓国大統領府)襲撃未遂事件が発生。同年4月、韓国政府はその報復として仁川沖のシルミド(実尾島)に死刑囚ら31人の男たちを集め、極秘に金日成暗殺指令を下した。こうして31人は、その時の年月から名付けられた684部隊の特殊工作員としてジェヒョン隊長の下、過酷な訓練を開始する。3年後、優秀な工作員に仕立て上げられた彼らに、いよいよ実行命令が下される。しかし、政府の対北政策は決行目前になって大きく転換、北潜入へ向け行動を開始した部隊に急遽命令の撤回が告げられるのだったが…。

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2003年 韓国

(「aiicinema online 『シルミド/SILMIDO 』 より引用。」

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? 30年以上歴史の闇に隠蔽されてきた1971年実際に起こった実尾島事件を題材にした作品。

? この作品が公開される一年前だったか新聞で「実尾島事件」の特集がされていおり、過去にこのような事があったのかと衝撃を受けました。この特集記事をよんでいたので部隊の運命を知っていながら本作を鑑賞するのは辛かったですね。

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青瓦台へ北朝鮮の部隊が侵攻してくるシーン、そしてインチャン(ソル・ギョング)が死刑囚となるシーン・・・冒頭からの怒涛の展開に釘付けとなりました。

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政府は北朝鮮への報復として北朝鮮部隊の人数と同じ31人からなる部隊・通称684部隊を結成。死刑囚となったインチャンはこの684部隊に入るのですが、部隊の目的は‘金日成の首を捕る’というあまりにも衝撃的な内容に部隊に選ばれた隊員達は動揺を隠せない。この‘目的’を語るシーンは印象的。チェ准尉(アン・ソンギ)の表情、言い方全てがその目的の重さを物語っていると共に、部隊の目的を知った者たちの凍りついた表情。そんな時でも冷静さ失わないインチャンなど、このシーンで各登場人物のキャラクターが薄っすらであるが、感じ取る事が出来ると思います。

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 前半は実尾島での訓練シーンがほぼメイン。隊員達に課せられた訓練は過酷であり、その訓練内容からも部隊の目的の困難さと重責・・・・といった全ての言いようがない‘重み’が表れていると思いました。訓練シーンの描写は一言でいえば残酷。過酷を超えたこの訓練、実際はそれ以上のものであったと考えると恐ろしいと共に憤りを感じる。

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 そんな過酷な訓練シーンが多い実尾島の描写ですが、中には笑いを誘うシーンをはじめ男同士の友情、家族愛(主にインチャンですが。)などの人間ドラマがこの前半には凝縮されていると思います。インチャンが母を思うシーンは非常に切なく胸を締め付けられました。ただ映画として観ると、もう少しインチャンをはじめ各隊員について丁寧に描いてくれればより入り込めたような気がしました。

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 隊員と教官の距離が近くなってきた矢先、政府は部隊に非情な決断を下す。

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 国家、時代に翻弄された男達の最後の決断は悲しく苦しい。観るに堪えないシーンも多々ある(何故か日本公開時、指定は入っていなかった・・・)が、実際はそれ以上だったとおもうと恐ろしく、惨い。人間の尊厳、極限下の人間の行動等考えさせられる。いつの時代もこの作品の状況とは異なれど‘上’の決定によって犠牲となるのは‘下’の人間である。本作は実尾島事件を扱ったものですが、それ以外にも深遠なメッセージ性がある様な気がしました。

 ラストのシーンは映画館に女性の泣き声が響いて居ました。私は何故か泣けませんでした。悲しくやるせない思いはありましたが泣く様なものではない。泣くという事を通り越した衝撃的なラストだったのです。

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寡黙な男を演じるソル・ギョングの演技、アン・ソンギ、ホ・ジュノらベテランの演技は素晴らしかったです。そして泥臭いというかざらつきある雰囲気の映像や音楽も良かった。
 この作品は映画を観たと言うより‘目撃した’というに相応しい作品だと言えるかと。


ただ‘映画’的には良かったのですが、あるシーンで(脱走兵が起こした事件。このシーンで私が観た映画館では席を立つ女性客が続出していました。)そこで一瞬冷めてしまいました。

また本作は冒頭にでるテロップにもあるようにかなり脚色がされており、事実と異なる点も多々あります。実際の部隊は一般市民も居たそうなので、実話だからこそそういった点をちゃんと描いて欲しかったです。本作鑑賞前にシルミドのドキュメンタリーを観たので尚更そう思いました。

 公開当時、監督がインタビューで「この作品はハリウッドに勝つ!」と言っていたのが印象的です・・・。

?

 しかし、この作品によってこの事実が明るみとなり、政府が事件の真相追究をする決定をするなど多大な影響を及ぼしたことなどを考えると非常に存在意義がある作品なのでしょう。


 

?

 う~ん・・・この作品の感想を書くのは難しいですね。



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<参考>

Wikipedia 青瓦台襲撃未遂事件 ?

隠された真実に迫る映画『シルミド』

Yahoo!ニュース 2006/07/13 (←真相調査の結果記事です。)



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 カン・ウソク監督の最新作『韓半島』。この作品も‘問題作’詳細はこちら→朝鮮日報 2006/07/26asahi.net 2006/08/20




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シルミド@映画生活





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『大統領の理髪師』  時代に翻弄されながらも懸命に生きた人々の物語

ビデオメーカー
大統領の理髪師

出演■ソン・ガンホ、ムン・ソリ、リュ・スンス、イ・ジェウン、ソ・ビョンホ、パク・ヨンス、チョ・ヨンジン、オ・ダルス

監督■イム・チャンサン






<ストーリー>

 1960年代の韓国。大統領官邸“青瓦台”のある町、孝子洞で理髪店を営むごく普通の男、ソン・ハンモ。彼は、近所の人々同様、大統領のお膝元であることを誇りに思い、時の政府を妄信的に支持し、熱烈さのあまり町ぐるみの不正選挙にも加担するほどだった。新米助手のキムを無理やり口説いて結婚し、やがてはかわいい息子ナガンも生まれ幸せな毎日を送るソンに、ある時大きな転機が訪れる。ふとした事件をきっかけに、彼は大統領の理髪師に選ばれるのだった。これによって、ソンは思いがけず、権力をめぐる政争の渦に巻き込まれてしまうのだった…。


2004年 韓国   (原題 『孝子洞の理髪師』)


(「allcinema online  大統領の理髪師 」 より引用。)






  1960年~1980年代にかけての韓国激動の時代、大統領のお膝元である孝子洞の理髪師ソン・ハンモとその家族をメインに、懸命に生きる市井の人々を描き、韓国近代史を織り込んだ作品。


 ソン・ハンモの息子、ナガンのナレーションに始まる冒頭はどこか温かみがあり、ナレーションの後に描かれる父ソン・ハンモと母の‘馴れ初め’シーンで笑を誘う。ソン・ハンモ・・・どうしようもないと(笑)


 この作品の魅力のひとつは主人公ソン・ハンモのキャラクター。頭は弱いけれど真面目で家族思いの優しい人物。家族と平凡な暮らしをしていたこの素朴な男・ソン・ハンモの理髪店にある人物が来店したことから彼の平凡な人生が一変。なんと大統領専属の理髪師になってしまうのだからさぁ大変!


 初めて大統領の散発をするシーンは、ソン・ガンホの細やかな演技によって ソン・ハンモがとても緊張している事が伝わってくる。そして私も彼と同じように緊張してしまいました。観ていて冷や冷や・・・何かしでかすんじゃないのかとソン・ハンモがとる行動一つ一つが危なっかしくて観ていられません(笑)このシーンはソン・ハンモのキャラクターを描きつつ、一般市民と政府との距離を暗喩していた気がします。


 この作品は大統領専属理髪師となったソン・ハンモとその家族を描くと共に一つの政権(劇中に固有名詞は出ないが朴正煕政権)の台頭と崩壊、歴史的事件も描いています。


 ストーリー序盤の不正選挙に始まり4・19革命、ベトナム戦争、『シルミド』にも登場した青瓦台襲撃事件、共産主義者を見つける為に行なわれた拷問等・・・このシリアスな事柄ユーモアで包んで描いています。この絶妙なバランスは見事であり、コミカルに描く事で重大さを感じさせる。


 作品全編シリアスとユーモアが織り交ざっていて、笑を誘われるシーンが多々あると共に、時代の光と影を描いていて考えさせられる力があります。本作は当時の政権への皮肉が込められてるといってもいいかと思います。


 

 4・19革命の時に生まれた主人公の息子ナガン。「多くの人が死んだ時に僕は生まれた」といった彼のナレーションが入るのですが、ナガンに降りかかる様々な出来事を観ていると、ナガン=当時の無力な一般市民であり、そして終盤を観てナガン=希望なのであるのだと思いました。


 前半の国に忠誠を誓い、「閣下は国家だ」の台詞の通りに従うソン・ハンモ。しかしそんなは軍事政権下の抑圧された時代から、新たな時代の幕開けに向けて動き出すと共に次第に変化し始める。ソン・ハンモ親子は当時の人々全てを表しているのでしょう。

 

 主演のソン・ガンホは何をやってもその人物に嵌ってしまう俳優であると思うのですが、本作のソン・ハンモはとても良かったです。カッコいい父親として描かれているわけでわないのですが、ヒーローみたいな父親像なんかよりもごく普通の父親が愛する息子のためになんでもする姿がじつに良い。コミカルなシーンからシリアスシーンまでソン・ハンモの微妙な心情を表情で見せてくれます。


 妻役はムン・ソリ。『オアシス』『浮気な家族』とは違い、今回はこちらもごく普通な奥さん(インタビューではおばさんと言ってましたが(笑))。妙に合っているので驚きました。素なのかな??と思うほど(笑)もう少し見せ場があればなぁと思いました。


 この作品のメインキャラといっても過言でないのが息子役イ・ジェウン。ニカッと笑うその表情や悲しげな表情まで‘味がある’演技をみせていて、ソン・ハンモの息子にはピッタリでした。


 

 

 時代考証を徹底し、セットも当時の雰囲気をリアルに再現できるよう細かいところまで気をつかったということもあり、当時がどうだったのかは知りませんが、セットといい映像といいどこか懐かしさを感じさせてくれます。初監督作とは思えない出来栄え。


 

 ストーリー展開はいたって‘素朴’。しかし当時の人々の喜怒哀楽や生き様、風刺が描かれ、感動もしてしまう、そんな魅力のある作品です。




<参考・『大統領の理髪師』をより理解する為に参考になります↓↓>

 ・wikipedia 朴正煕

 ・大統領の理髪師 公式サイト



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大統領の理髪師@映画生活

『シュリ』   愛した女性はスパイ・・・カン・ジェギュ監督×ハン・ソッキュの大ヒット作!

アミューズソフトエンタテインメント
シュリ

出演■ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、ソン・ガンホ、キム・スロ、チェ・ミンシク

監督■カン・ジェギュ





 <ストーリー>

 韓国の諜報部員ユ・ジョンウォンは恋人イ・ミョンヨンとの結婚を間近に控えていた。彼の周囲では謎の事件が多発し、その背後には北朝鮮のスゴ腕女スパイ、イ・バンヒの存在が浮かび上がる。


1999年 韓国

(「映画生活 Gaga」より引用。)






 日本公開時‘第一次韓国ブーム’とでも言いましょうか、韓国ブームの火付け役となった作品。私が韓国映画を観るようになったのも『シュリ』がきっかけであり、ハン・ソッキュを好きになった作品です。 韓国では社会現象となり韓国映画史を塗り替えた作品。



 この作品が私の初韓国映画で、映画雑誌かTVだったのかは忘れましたが作品紹介を見て妙に惹かれるものがありました(確か当時はおすぎがTVCMをしていたような・・・)。いままで韓国の映画というものはどこか見づらいという先入観というのでしょうか、そんな考えを抱いていましたが、本作を観てそんな固定概念は吹き飛びました。


 最初に観賞した時はただただ良かったな~といった感想。しかし、何回か観るうちに気になる点も出てきました。


 アクション、バイオレンス、ラブストーリー、ヒューマンドラマと全ジャンルを網羅していると言える作りである為、下手すると詰め込みすぎて散漫な印象を受けかねないのですが、そこを韓国映画がもつパワーで押し切り、さほど気にならない作りに仕上げ、単調な作りにならないようにされています。


 アクションシーンは迫力があり、「韓国映画、なかなかやるな~」と言う感想を持ちました。しかしハリウッド作品のアクションシーンと比べるとやはり欠ける部分は多々あります。特にビル爆破のシーンは初見の時は入り込みすぎていたので気にならなかったものの、二度三度観るうちにこのシーン・・・ミニチュアを破壊しているのがありありと分かってしまうのが残念。

 本作に多く登場する銃撃戦は見応えアリ。今後の韓国映画への期待感が沸きました(そう考えると監督の『ブラザーフッド』のアクションシーンはハリウッドに近づいていたかな。)。


 ストーリー展開も冷静になって観ると無理があるというか突っ込み所はあるのですが、もうそんな事は気にならないほど作品に入り込んでしまいました。


 本作の見所はアクションもそうですが、なんと言っても韓国の諜報部員ユ・ジョンウォンと彼の恋人イ・ミョンヨンの悲恋。そしてテロリストであるパク・ムヨンとの対決。この作品のテーマである南北分断の悲劇をラブストーリーとアクションで描くことにより、カン・ジェギュ監督は南北分断を誰にでも分かりやすく、エンターテイメント作品にしたと言う事が今までに無いことであり、そしてこの作品に多くの人が惹きつけられた要因であるのかもしれません。


 分断の悲劇をより強く表す存在であるのがチェ・ミンシク扮するパク・ムヨン。チェ・ミンシクの迫真の演技(やはり上手い)、ラストでのユ・ジョンウォンとの対決は手に汗握るものでした。しかし、重要な存在であろうパク・ムヨンの人物描写がやや弱かったかなと思います。もう少し丁寧に描いてくれたのならば彼に感情移入する事が出来たと思いますし、南北分断というテーマも強く浮び上がり、観客の心に届いたのではないかと思いました。


 そこが弱い反面、もう一つの見所・・というかメインであるハン・ソッキュ扮するジョンウォンとキム・ユンジン扮するミョンヨンの関係は綺麗にまとまっていて、感情移入しました。水槽前でのキスシーンは有名だと思いますが、このシーンの取り方は綺麗ですね~このシーン、二人は幸せなはずなのに悲壮感を感じさせる青を基調とし描写は見事。また水槽前と言うのも伏線となっているあたりがニクイ演出です。


 愛し合う二人=南北分断の悲劇ということをラストでは描いており、観ていて非常に辛く、やるせない。劇中に本作のタイトルである『シュリ』の説明があるのですが、これを聞くと更に悲しくなり、何とも言えない気持ちになります。電話のシーンは切ないですね。このシーンで毎回決まって涙します。


 この作品の魅力・・・それは‘悲恋’であるのかもしれません。


 他に魅力的な点はやはり出演者でしょう。主演はハン・ソッキュ。ハン・ソッキュはけして二枚目ではありませんが彼が演じている姿を観るとかなり惹かれるものがあるんですよね。‘演技で魅せてこそ役者!’と感じさせる俳優で、本作でも悲哀に満ちた表情などで印象的なシーンを作り出しています。


 ハン・ソッキュの相棒役としてソン・ガンホも出演。本作では演技力の高さを十分に発揮できるような役では無かったものの、ツーショットは本当に相棒のようでした。また2人の共演が観たいものです。


 

 本作はよくTV放映されますが、TV放映時は大部分がカットされていますのでTVで観たという方は機会があればDVDなどでの観賞をお勧めします。以前観た時はラストがばっさりカットされていて驚きました・・・^^;





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 『シュリ』が日本でドラマ化されるという驚きの記事を発見!(詳細は→朝鮮日報 2006/03/29/

古い記事ではありますがTV放送とDVDで全20回とのことで、ビックリです。今後どうなるのか注目ですね。




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<当ブログ内、ハン・ソッキュ出演作品記事>


『八月のクリスマス』
『グリーンフィッシュ』

『カル』

『銀杏のベッド』

『スカーレット・レター』


観賞したものの未だ記事にしていないものがありますので今後UPしていきます(^^)。




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シュリ@映画生活
プロフィール

るい

Author:るい
【好きな俳優】
堺雅人、堤真一(特にこの二人が好き!)、大沢たかお、織田裕二、天海祐希、深津絵里

【舞台】
劇団☆新感線に嵌まってます!
ここ最近毎月観劇。

観劇予定: 時計仕掛けのオレンジ / テンペスト / シェイプオブシングス / NODA MAP・南へ / 劇団新感線・港町純情オセロ 


【映画】
洋画、邦画、韓国、香港とジャンル問わず何でも観てます。
最近は邦画鑑賞率高いです。


【ドラマ】
踊る大捜査線のファンでNW捜査員。

SP-警視庁警備部警護課第四係-が心底好き。


【小説】
佐々木譲、今野敏、貫井徳郎、雫井脩介、横山秀雄、海堂尊を好んで読みます。


■物凄いマイペースにやっているので不定期更新です。
なるべく観たものは全て感想を書きたいなと思っていますが
書かない or かなり時間が経ってから書くこともあります。

■映画、舞台、好きな俳優、ドラマの話が多めです。
感想はあくまで私個人のものなので「あ~この人はこう感じたんだ」程度に受け止めてください。



■TB、コメントお気軽に♪
(但し記事内容と関係のない物等はこちらの判断で削除させて頂きます。)
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(旧blog⇒enjoy! MOVIE LIFE)

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